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531? 今そう言ったよね? え、待って、私のファンクラブとやらは一体どれだけ膨れ上がるの。
あんなもの、承諾しなければ良かったのかな……もう、分かんないや。
「そ、それで、何用で……?」
「あ、そうでした! サインくれませんか!?」
差し出したのは新品のノート。表紙に書けということか?
「だ、駄目ですか……?」
朝から色んな人に何度も頼まれている。だが、生憎私はサインなんて作っていない。
「あの……その……」
どうしよう、断っていいのだろうか。それとも、名前だけでも書いたらいいのだろうか。こういう時、どうすればいいのだろう。
「A」
「あ、亮、さん……」
こちらに歩いてくる。
「わり、英語の辞書貸してくんねえ? 和英の。忘れちまったんだよ」
「きゃあああああっ!? し、宍戸さっ……」
両手で口元を隠す彼女は、何とも女の子らしいのだろう。
「あ、はい。ロッカーにありますよ。取ってきますね」
後ろにあるロッカーへと歩く。良かった、もしこのままいけばサインを書かなくてもいいかもしれない。
「どうぞ」
「お、さんきゅ!」
満面の笑みで受け取る亮さんに、つられて私も笑顔になった。
「でも、同じ学年の人に借りれば良かったのでは……」
「あー、えっとー、その、あれだ。……んー、と……仲いい奴に言ったら皆持ってなくてだな、はは……」
明らかに何かおかしい。
「……それ、今考えつきましたよね?」
「……はい」
「ふふ、追求はしませんけど」

少し会話をしていると、長太郎くんが教室に戻ってきた。
「し、宍戸さん!?」
「……長太郎」
「何でいるんですか?」
「Aに和英辞典借りてたんだよ」
「和英辞典なら俺の貸しますよ?」
「もう借りたからいい」
「じゃあ、もう用はないですよね?」
「あ? 今話してたんだけど?」
「部活の時にできますよね?」
「お前には関係ないだろ?」
「俺のクラスですし、宍戸さんは他学年なんですから、早く戻った方がいいかと」
さっかから楽しそうに話しているな。二人共笑顔だ。何だか、火花が散っているように見えるけど。
「流石夏川様……モテモテですね!」
「え……?」
何の話をしているのだろう。
「Aさん! 俺が隣にいなかったから宍戸さんがいたの?」
「え、いや、別に……」
「同じクラスの長太郎くんがいなかったもんだから、お前が来るまで待っててやったんだよ」
「それはどうも。でも、俺は戻ってきたので宍戸さんの役目は終わりですよ。ありがとうございました」

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設定タグ:テニスの王子様 , 氷帝 , 逆ハー   
作品ジャンル:恋愛
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かるぴん(プロフ) - 面白いです! (2021年2月25日 3時) (レス) id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)
いーさん(プロフ) - 愛美さん» ありがとうございます!更新できずにすみませんでした! (2018年6月8日 22時) (レス) id: 1066195b5b (このIDを非表示/違反報告)
いーさん(プロフ) - 悟空の頭撫で隊さん» 忙しくて更新できずにすみませんでした!これから更新していく予定です!! (2018年6月8日 22時) (レス) id: 1066195b5b (このIDを非表示/違反報告)
愛美(プロフ) - 続き楽しみにしてます。頑張ってください! (2018年6月3日 17時) (レス) id: dde960ea55 (このIDを非表示/違反報告)
悟空の頭撫で隊 - 更新がんばってください!私この、むーくん大好きです!続き気になりますがんばってください! (2018年3月23日 17時) (レス) id: 1473042b0d (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:いーさん | 作成日時:2017年8月16日 17時

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