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「いや、お前は俺らの近くにいなきゃ駄目」
「だ、だって……！」
岳人さんの瞳が、私を捉える。
「必ず、隣に俺らのうち誰かが居なきゃ駄目。いくら跡部が作ってくれた携帯があってもよ、隣にいた方が安心だからな」
「そんなことしたら、皆さんにまで被害が……！」
「俺は構わねえぜ」
私と岳人さんが話していると、亮さんが静かな声で入ってくる。
「な、んで……」
私は、皆を傷つけたくないだけなのに。
「お前が傷つくんだったら俺らも傷つく。お前のことは傷つく前に俺らが守る」
「私は、私は……大切な人が傷つくと、嫌なんです！！ 暴走、しちゃうんです……感情が、抑えられなくて……」
「暴走……？」
若くんが聞き返す。
「ああ、それは俺が説明するよ。いいよね、Aさん」
「……う、うん……」
長太郎くんは、三時間目が終わったあとの休み時間のことを、こと細かく説明してくれた。
「……お、お前が、そんなに……？」
「お嬢ちゃん、口が達者やねんなあ」
まるで珍しいものを見たと言うように、興味を持たれる。
「Aちゃんはー、鳳のことが大切ーってことだよね？」
「もちろん、皆さんもですよ」
少し困ったように笑うと、優しく抱きしめられる。何時もの慈郎さんの感じじゃない。
「ありがとね、Aちゃん」
「は、はい……」
「でもでも、俺はね、自分が傷つくのはいいけど、Aちゃんが傷つくところは見たくないんだ。だからね、守らせてよ」
儚げな声が、鼓膜を震わす。
「それで、もし俺らが傷ついちゃったら、かっこいい饒舌なAちゃんが俺らを助けて？ だから、それまでは守らせて」
慈郎さんは、決してテンションが高いだけでも、寝ているだけでもなかった。頼りがいがあって、でもちょっと抜けていて、けれど、ここぞという時は頼りになる人。
「……はい」
私のその一言に、皆はうんうん、と頷いてくれた。
「おい、ジロー」
「ん？」
「お前いつまでAに抱きついてんの！？ つか昼飯食わせろよ！」
「えー、食べればいいじゃん。離れるのはやだ！」
「ジロー！！」
ああ、やっぱり慈郎さんは、何処か抜けていた。
そんなこんなで、騒がしかった昼休みは終わった。
そして、何事もなく五、六時間目は終わっていった。
「夏川さんっ……！」
「はい……？」
授業を終え、部活に行く準備をしていると、クラスメイトの女の子に話しかけられる。
席に座って待ってくれている長太郎くんは、警戒しながら私たちを見ていた。
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かるぴん(プロフ) - 面白いです！ (2021年2月25日 3時) (
レス) id: e2b715c702 (このIDを非表示/違反報告)
いーさん(プロフ) - 愛美さん» ありがとうございます！更新できずにすみませんでした！ (2018年6月8日 22時) (レス) id: 1066195b5b (このIDを非表示/違反報告)
いーさん(プロフ) - 悟空の頭撫で隊さん» 忙しくて更新できずにすみませんでした！これから更新していく予定です！！ (2018年6月8日 22時) (レス) id: 1066195b5b (このIDを非表示/違反報告)
愛美(プロフ) - 続き楽しみにしてます。頑張ってください！ (2018年6月3日 17時) (レス) id: dde960ea55 (このIDを非表示/違反報告)
悟空の頭撫で隊 - 更新がんばってください！私この、むーくん大好きです！続き気になりますがんばってください！ (2018年3月23日 17時) (レス) id: 1473042b0d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いーさん | 作成日時：2017年8月16日 17時
