【天月】ねぇ、キスしてよ【歌い手】 (ページ27)

今日:13 hit、昨日:2 hit、合計:151,375 hit

kiss２６ページ27

まふくんに手を引かれてやって来たのは
さっきのコンビニとさほど離れていない、公園

A「あのっ、まふくっ」

まふ「え？嗚呼！ごめん、なさい・・・」

パッと私の手を離し、俯いたまふくん

どうしたのだろうと顔を覗き込んだが、
メガネと少し長い髪の毛のせいでよくわからなかった

A「・・・・あの、お金、返しますね？」

まふ「・・・・いいです、Aさん一万円札しかないんでしょう？」

A「・・・・」

図星を突かれ、なんて答えたらいいのかわからない
今度は私が俯いた

まふ「・・・・あの、座りません？」

A「え？」

顔を上げてまふくんの顔を見ると、
話、聞いてください、それでお金の件はチャラで、ね？と微笑んだ

不覚にもドキン、心臓が跳ねる

・・・・？
だけど、何か、違う？

A「・・・・はい、わかりました」

まふ「あ！アイス食べなきゃ！！良かったらAさんも！！」

A「すみません」

私はまふくんからチョコのアイスを一口頬張る

そこから始まるたわいもない話
ふと、話が天月さんになった

A「まふくんって、天月さんといつ頃から知り合いなんですか？」

まふ「う―ん、天月とは歌い手でライブが一緒になったときかな？」

A「・・・・あの、まふくん」

まふ「んー？」

バニラ味のアイスを可愛らしく舐めながら、
まふくんは私に目を向けた

A「えっと・・・異性と、一緒にいて、ドキドキしたり、その人のことがどうしようもなくきになったり」

まふ「・・・・・」

A「これって、そのっどう言う感情？なのかなぁーって、思い、まし、て・・・・」

まふくんはまだ食べかけのアイスを地面に落とした

とても、
悲しい表情で――――

まふ「それ・・・一般的には、恋、だよ――――」

A「恋・・・好きってことですか？」

まふ「うん・・・・その感情、僕もなるんだ」

A「まふくんも恋を？」

やっぱり、まふくんにも好きな人がいるんだ
綺麗な顔してるから絶対両思いだろうなぁ・・・・

なんて考えるのは自分が天月さんに対する感情に気づいたから

まふ「ねぇ・・・僕、Aといるとドキドキする」

A「へ、私？」

まふ「うん・・・・好き」

その言葉が聞こえたと思ったら
目の前には、まふくんの顔

唇には？

もちろん、

君の唇―――――