【天月】ねぇ、キスしてよ【歌い手】 (ページ13)

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kiss１２ページ13

A「はぁ・・・」

誰もいない舞台裏で一人、そっとため息をつく

「続いては天月でヤキモチの答え！どうぞっ！」

天月「気になる人の話ですか―――」

天月さんの出番を左端から眺める

ニコニコ関係者の特権・・・
とか言ってもなんか寂しい

スポットライトを浴びて、お客さんに囲まれている天月さんはなんだか遠くて
私も一人のファンならこんな思い、しなくていいんじゃないかなぁ、
なんて

A「・・・・何、思ってんだか」

ふと、正面を見てみるとまふくんが小さく手を振っていた
私も小さく手を振り返す

天月「僕じゃダメですか」

いつの間にか曲は終わっており、
少し簡単なフリートークをして、まふくんに繋ぐシナリオ

「天月くんは好きな人とかいないの？」

天月「好きな人ですか？」

え・・・・

思わず天月さんを直視してしまう

いるって言わないで

は？
何、思ってんの自分

一瞬天月さんがこちらを見た気がした

天月「いませんよっ、恋愛には自信なくて・・・・」

観客席からもよかったーなんて声が飛び交う
私もよかった、なんて

天月「天月でしたー！」

ニコリと笑って、天月さんはコチラに歩いてくる

左側は、
出演者の退場口なのだ

A「お疲れ様です」

天月「うん・・・夜影さん、僕の前で普通に喋るようになったんだね」

A「まぁ、天月さんの前ならもういいかなぁと思いまして・・・」

迷惑でしたか？と聞くとそんなことないよ、と微笑んだ天月さん

その顔に私の心は少し軽くなった

天月「じゃ、一旦楽屋に戻るね」

A「あ、はい」

ふっと笑って天月さんは私の横を通り抜ける

こう、言って

「俺に好きな人がいなくて、安心した顔になってるよ・・・？」