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「どう、しよ」
動揺で声が震える。無い、無いのだ。今まで一度も無くしたことが無かったのに、無いのだ。
−−−あの指輪が
情けなく泣きそうになるのを堪えて、部屋中を探し回る。ソファーの下からベッドの下、ゴミ箱、棚の後ろ…。
もしかしたらオフィスで落としたのかもしれないと言う可能性を思い出したのは、探し始めてから3時間後の事だった。
昨日須貝さんが作ったスライムを触らせてもらう際、明後日会うのにスライムで汚したらあれだよな、とその時だけ指輪を外したのだ。
「福良さん！！掃除機の中見ても良いですか！！ちゃんとあとで掃除するんで！！！」
福「え、別に良いけど…どしたのこうちゃん。そんな慌てて」
「なんでもないです！！」
河「どう見てもなんでもなくないよね」
急いでオフィスに駆け込めば福良さんと河村さんが動画の編集をしていた。
他の人も記事を書いていたようで、今日来るはずではなかった俺に不思議そうな視線を向ける。
だが今の俺の頭には指輪の事しかなくて、部屋の隅に置かれていた掃除機を手に取り、中のゴミを漁る。
もしかしたら、ゴミと一緒に吸ってしまったのかもしれない。
そんな淡い期待はすぐに砕けちって、出したついでなのでゴミ箱にゴミを捨てておく。
周りから見たら変人でしかない俺を全員が心配そうな目で見つめる。速杉さんも、こんな感じなのかな。
…いや、あの人に向けられるのは、こんな目じゃない。もっと優しい、呆れたような目だ。
駄目だ、心配掛けたら駄目だ。でも、指輪が…
速「おいで、こうちゃん」
見かねた速杉さんが俺を別室に引き入れてくれる。
「指輪無くした？」と俺が何も言わなくても早くに察してくれた彼女は、安心させるように俺の背中を撫でる。
その手付きが優しくて、本当に優しくて…テンパっていた俺の心を落ち着かせてくれた。
代わりにずっと堪えていた涙が力が抜けたことで涙腺も緩んでボロボロと溢れ落ちていく。
「ごめ、なさ…っ、おれｯ」
速「大丈夫だから。取り敢えずここ座って。飲み物取ってくる」
速杉さんの言葉に甘えて椅子に腰を降ろし、腕に顔を埋めておえつを溢す。
あぁほんとに、いい大人がなに泣いてんだか…。
「…あれ、おれ…」
次に顔を上げたときには部屋も窓の外も暗くなっていた。体の動きに合わせて、肩に掛けてあった物がずり落ちる。
確認するとそれは福良さんが使ってるブランケットで、あのまま寝てしまったんだと寝起きの頭で理解した。
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あや - 読んでて飽きない面白いお話でした！izwさんの「はぁああやすぅぎぃ!（簡略しすぎですが）」が心に残っています。素敵な作品ありがとうございました！ (2022年11月12日 10時) (
レス) @page50 id: 6c6e9303eb (このIDを非表示/違反報告)
ねむ - 素敵なお話でした…ありがとうございます！！ (2021年8月29日 21時) (レス) id: 84d3b4ed7e (このIDを非表示/違反報告)
白菜(プロフ) - 凛さん» あの、読んでいたら申し訳ないんですが、注意書きのところご覧になられましたか？�爐海寮こ�線では�瓩醗豈�明記しているのですが……もし分かりにくかったのでしたらすみません。 (2020年7月11日 12時) (レス) id: 367472b3a3 (このIDを非表示/違反報告)
凛 - 開成って男子校では…？？ (2020年7月11日 9時) (レス) id: 0e33e6ca02 (このIDを非表示/違反報告)
白菜(プロフ) - お聖さん» ご指摘ありがとうございます！いやー、やはり確認しないのは駄目ですね。早急に修正させて頂きました。またなにかありましたらコメントしていただけると幸いです！ (2020年2月29日 13時) (レス) id: f8ddf3423a (このIDを非表示/違反報告)
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