その42 ページ42
あの後ヒロが帰ってきたため慌てて戸田Aの戸籍データへと戻した。
光が収まったと同時に扉が開き、ヒロが只今、と満面の笑みで入ってくる。危なかった。
「あ、A兄さん、今週末ちょっと遊んでくるね!」
「おー、行ってこい行ってこい。…ん?どこに行くんだ?」
ヒロはニコニコしながら、確かミステリートレインに乗るんだ、と口からとんでもない爆弾を落として彼の部屋へと向かって行った。
__待て待て待て!!!
俺の記憶が正しければミステリートレインは安室透がバーボンだとバレ、敵じゃねぇかと疑われ…とかそんな感じの事件が起きる舞台じゃなかっただろうか。
そんなところにヒロが一人で行けばどうなる。
運が良ければ無傷だろうが…生憎彼奴の不運はそんな幸運なことは起こらなさそうだ。
良くて煙を吸って軽度の火傷。
最悪爆発に巻き込まれて死ぬ。確実に死ぬ。
「…えぇ…俺も行くべきか…?」
だが俺はそこまで身体が強くない。耐久性が皆無である。
ヒロを確実に守れるか、と聞かれれば…うん微妙だ。
「…あぁ、こういう時のもう一つの戸籍か」
手早くアプリを開き、ナナオのデータを呼び出す。
戸田Aとしての身体は弱い。ならばナナオユミの身体は?この世界で生きていたこととなっている少女の身体なら健康体だろう。
且つ、程よく筋肉もついているし、動くのにも問題はない。
「ナナオユミでいくかぁ…」
「__兄さんそういやこれ学校からの配布物で」
唐突にヒロが部屋に戻ってきた。
少し思い出して欲しい。ここにいるのは戸田Aではなく、ナナオユミである。
このような場合、人はどのような反応を取るのだろうか。
「__誰!!?!?」
「いや、えっと」
普通、不審者として訝しむだろうな。そこは普通でよかったよヒロ青年。
俺はしどろもどろになりながら、Aの知り合いでお邪魔していたんだ、と適当にごまかした。
「なんだ!てっきり兄さんのことストーキングするクソアマかと思っちゃって」
「そんなタチの悪いクソアマなんかじゃあないデスヨ」
片言になったのは我が弟の目が全く笑ってないからである。怖えよ、どんだけあのストーカー女であるクロサキが嫌いなんだよ。
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あお果実(プロフ) - とても面白いです!これからも応援しています(*´∀`) (2019年3月28日 12時) (レス) id: 11c4dc89d1 (このIDを非表示/違反報告)
おと姫と愉快なサカナたち(プロフ) - この世界観好きだ…更新待ってます! (2019年3月26日 11時) (レス) id: e21618e8ed (このIDを非表示/違反報告)
ユウナ - とっても面白いです!更新楽しみにしています。頑張って下さい! (2019年2月18日 20時) (レス) id: 9d0d0719af (このIDを非表示/違反報告)
佐峅@岩動(プロフ) - ノルゼリイさん» コメントありがとうございますー!中々の苦労人ぶりに作者自身こうなるはずでは…!と嘆いていま(せん) パソコンは……成り行きですね!壊しちゃいました…。更新頑張っていきます! (2019年2月15日 12時) (レス) id: 1d5638e044 (このIDを非表示/違反報告)
ノルゼリイ(プロフ) - 久しい更新嬉しいです!どんどん苦労人へと変化しちゃいましたね……パソコンなんてやばかったですもん。これからも楽しみにしてますー (2019年2月15日 12時) (レス) id: 8f5d447aaf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:佐峅 | 作成日時:2018年11月12日 0時