【名探偵コナン】特別移住者支援機関【男主】

その5 ページ5

「__貴方がAさん…ですか…？」






目の前のベビーフェイスの男と小学生が
ポカンと間抜け面でこっちを見ている。



いや、随分と失礼だな。お前ら。






「…はい、俺がAですけど、
えーと、何かありましたか？」



そう和かな笑みをたたえて
ヘラヘラとした態度でいる俺。






俺の戸籍と容姿は毎度ランダムに作成されるため
それらの内容と矛盾しないように
俺は立ち回らなければならない。







今回の俺は19歳の青年になっている。

…実年齢は…身体の成長が止まった年が18だから
今回はあんまり見た目変わらんな。うん。


佐藤A。如何にもな名前だ。
家族構成は母親のみ。父は蒸発。







備考に小説家とあったがそれは別に大丈夫だ。
うん、問題はない。






所詮備考だ。


これが活かされることはほぼ無い。















「……もっと歳上かと…」


ちなみに年齢は、と尋ねてくる安室。
待ってくれ、俺はお前と違って見た目通りなんだよ。



取り合えず、19です。と笑って答えられた俺って偉い。後でケーキ買ってこよう。ご褒美だ。

喧嘩売りに行かなかった俺偉いわ。







「ねえねえ
お兄さんって、イヨリさんと友だちー？」




そう本題を無邪気にぶち込んで来たコナン少年。

おいおいこっちが聞きたい、
お前たちはサクラマという女とどういう関係だよ。
恋人か？ウケる。







「あー、サクラマさんっすね！
友だち…というか知り合いっすよ！！」



そう笑って言えば知り合い？と首を傾げたコナン。


…取り合えず補足説明しておくか。








「俺、書き物ちょっとやってるんすよー。
それで知り合って、助けてもらったりして…」






「でもイヨリお姉さんって勉強とか嫌いって
言ってた気がするけどなぁ…」







だからお兄さん、と続けて俺を追求しようとする彼。



何やて工藤。違う、コナン。

俺は別に原作が好きだったわけじゃねぇけど、
それなりには読んでたぞ。


だが、それすらしねぇ女か。サクラマという女は。













「あー、勘違いしてるっすねー？

彼女の周りにいる人たちのエピソードとか
色々聞かせてもらってるんすよー！」






こう言えば彼女の多少の援護にはなるし
酒の名前知ってたりするのもまあ…
俺が知ってたってことで。なんとかなるだろ。







多分。








__それはそうと、当のサクラマはどこだ？

その6→←その4

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す