【名探偵コナン】特別移住者支援機関【男主】

その35 ページ35

「…風邪ひいたかな」


ブルリと身体を震わせ呟く俺。


そんな俺が今どこに居るのか。









「A兄さん！来てくれたんですね！」


「正直部屋で療養してたかったんだが…
いや、嘘だすまん。だからそんな泣きそうな顔をするな、ああ、いや泣くなって」







本日、保護者参観とのことで親の代わりに俺が出席することになった。
いや、高校生にもなって保護者参観とかあるんだな。






おそらくこの後の懇談ついでに見ていきましょうって感じだろうが。














「__アンタが噂の戸田君のお兄さん？」






そう高圧的に声がかかる。
いや、誰だよと顔を上げてピシリと固まる俺。






「ダメだよ園子！ちゃんと礼儀正しく…」


「蘭、こーいうのはね、ビシッと最初に言っておくのよ。私たちと付き合いたいーとか思ってたらただじゃおかないんだからね！」






いやどんだけ俺の印象悪いんだよ。


そう言いたくもなる暴言を吐いてきたのは
コナン界ではキッドの餌まき担当…いや、財閥のご令嬢の鈴木園子さんだ。



そしてその隣にはヒロイン兼泣く子も黙るスーパー高校生、毛利蘭さん。









……あっれ、もしかして。







「だ、ダメだって、兄さんはそんな邪な心は持ってない……よ？」

「いや疑問形じゃなくてな、肯定してくれよ。俺は高校生に邪な心を持つような男じゃねぇ」











ちらりと辺りを見渡すと周りのクラスメイトはどこ吹く風、何も気にせずに各々行動している。





いや、少し俺への好奇心でチラチラ見てくる奴らはいるか。






「…ヒロ、お前の友達？」



そうたずねると、パァ、と笑顔を浮かべ
コクコクと首を縦に振った。










「こちらが蘭さんで、こっちが園子さん！
初日にクロサキさんと色々あった時に助けてもらって」



瞬時に脳裏に浮かんだのはびしょ濡れで帰ってきたヒロの姿。







__あれか！！！！






あの時すでにエンカウントしてたのか。
さすが不幸体質。恐るまじ。








「…えーと、ヒロの兄の戸田Aだ。
俺たち二人暮らしだから、その、何かあったらヒロだけでも助けてやってくれ」



そうへらりと笑みをこぼす。

…後半は心からの願いである。





「……ン…」


プルプルと震えながら何かをつぶやいた園子さん。

また暴言か、と身構える。












「__アンタいい奴だったのね！！！！」


そう頬を紅潮させ言う

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