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その28 ページ28

「ちょっと電話をしていた時に
いきなり通話が切れたんだ。



盗聴器があると電波が悪くなるって言うだろ?


それで一応部屋を探したら、
買った覚えのないこのタップが見つかった」






解体したら基盤がくっついてたんだよ、と
少し肩を落として伝える俺。










…解体はしてない。
見つけて、声をかけてから捻り潰した。





だが捻り潰したとは言わない、言いたくない。
そうしたら別に平気じゃんとなりそうだし。






「…そうですか」




まだ何かスッキリしないのか難しい顔をしているが

俺を見やり、はあ、とため息をついた。








いや何故ため息をついた?











「あまり気乗りはしませんがその依頼承りますね」



「気乗りしねぇのかよ」







そう心の声が声に出たがすぐに咳払いし
俺は笑みを浮かべて口を開く。











「俺は戸田A。
柊木の名で作家をしている。

少しの間、よろしくな」






そう握手をしようと右手を差し出すが
一向に彼が動いてくれない。


俺となんか握手したくねぇってか、あ?









とりあえず顔見りゃあ何考えてるか分かるだろうと
思い、彼を見るとあまりにも予想外で目を見開いた。






「…戸田、A…?」






彼はまるで生き別れた兄弟にあったかのような、
死んでいると思った奴が生きていた時のような、






有り得ない、と言いたげな表情で微動だにしなかった。
















「…俺の名前が何か?」



「っ!いえ、大したことではないんです…」


そう言いながらも、彼は

昔会ったことあるのを覚えてませんか、と
とてつもない爆弾を投げてきた。









もう一度言おう。


彼の記憶には
俺がこの支援機関の仕事で関わった時のものは無い。

これは断言できる。

俺がその世界から消えているのだから
覚えていないのだ。


俺が消えた後に、実験のため
消える前と同じ容姿で彼の元を尋ねたが
彼は見向きもしなければただ通り過ぎただけ。









この実験は違う人たちでも何度か行っているが
結果はどれも同じ。誰も覚えていないのだ。










つまり、彼が覚えていないのか、と尋ねているのは
『支援機関のA』ではなく、

『戸田A』に、と言うことだ。










俺の頭はパンク寸前だ。






__ああ、これも全てあのクソアマのせいだ。

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設定タグ:名探偵コナン , 転生? , トリップ?   
作品ジャンル:アニメ
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あお果実(プロフ) - とても面白いです!これからも応援しています(*´∀`) (2019年3月28日 12時) (レス) id: 11c4dc89d1 (このIDを非表示/違反報告)
おと姫と愉快なサカナたち(プロフ) - この世界観好きだ…更新待ってます! (2019年3月26日 11時) (レス) id: e21618e8ed (このIDを非表示/違反報告)
ユウナ - とっても面白いです!更新楽しみにしています。頑張って下さい! (2019年2月18日 20時) (レス) id: 9d0d0719af (このIDを非表示/違反報告)
佐峅@岩動(プロフ) - ノルゼリイさん» コメントありがとうございますー!中々の苦労人ぶりに作者自身こうなるはずでは…!と嘆いていま(せん) パソコンは……成り行きですね!壊しちゃいました…。更新頑張っていきます! (2019年2月15日 12時) (レス) id: 1d5638e044 (このIDを非表示/違反報告)
ノルゼリイ(プロフ) - 久しい更新嬉しいです!どんどん苦労人へと変化しちゃいましたね……パソコンなんてやばかったですもん。これからも楽しみにしてますー (2019年2月15日 12時) (レス) id: 8f5d447aaf (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:佐峅 | 作成日時:2018年11月12日 0時

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