【名探偵コナン】特別移住者支援機関【男主】

その22 ページ22

医者に病気だと言われた。


マロリー・ワイス症候群？というらしい。

まあ、咳のし過ぎやアルコール摂取により
腹圧が上がって……とまあ、長々説明されたが


要するに食道かどっかに裂傷が出来て
そっから血が流れてってわけらしい。







__いやあの空間に戻れば健康体なんだけどな。
なんなら心は常に健康だぞ。ハピネスだ。




とりあえずそこまで酷い裂傷じゃないようなため
服薬でなんとかなるらしい。






あとは安静にしてろ、といわれ
早々に病院から追い出された。








…まあ、入院はしたくなかった俺からしたら
かなり良いことだ。うん。












「____そういや俺小説家なんだっけな」






自宅へと向かう道中、本屋の前を通り
ふと思い出し足を止めた。


そういやってレベルでその補足事項忘れてた俺。

危うく無職じゃねぇかよ。
さすがに無職は色々と疑われるよ。







自分の書籍はないか、と
本屋の陳列棚をウロウロと巡っているが

一向に見つからない。








…というか俺のペンネームがわからない段階で
もう詰んでるというかなんというか。








軽く頭を抱えようとすると
ポン、と肩に手を乗せられた。






「…えっ？」





驚いて振り返ると本屋の店員がいた。
いや店員といってもだいぶ
《おじいさん》という感じの店員だが。









何言われるんだろうか。


何不審な動きしてんだよって？

警察だけ勘弁してもらえれば殴ってもいいんで、
その、警察だけはやめてくれよな。










店員はゆっくりと口を開き、言葉を発した。


















「…アンタ、柊木先生かい？」



「はい？」






予想の斜め上をいく質問に吃驚……と
まてなんかデジャヴだ。


頭が混乱している俺に畳み掛けるように
続けざまに彼は言う。










「此間ここでサイン会してくれたじゃないか。

今話題のファンタジー作家の柊木先生！！」







その言葉に はは、と苦笑いが溢れる。


…まてまて？
俺ファンタジー作家なの？






こんな口悪いのにファンタジーもの書いてんのか？


えーと、ちょっと理解に苦しむ俺がいる。










「そ、その名前はあまり大声で出さないでくれ…
その、まだ、慣れてないんだ」











そう苦し紛れに伝え、本屋を出る。







俺の作品は、現状把握のために三冊ほど買ってみた。

その23→←その21 番外編

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す