その20 ページ20
正直に言うと
吐血は一つの手だと
『考えて』はいた。
いきなり健康そうな奴が血を吐いてきたら
血を見慣れてる人…医者とかその他…でも
人間びっくりするものである。
…この世界は、の方がいいか。
血を流しても普通だろという
世界もあるかもしれないし。
だがこれは、俺すら予測してない吐血。
身体が悲鳴をあげたのだ。
喉の奥から迫り上がる熱い何かを吐き出すと
ドロリ、と手に纏わりついた。
目の前の掴んでいた男は吃驚しているが
俺の方も吃驚である。
__生まれ変わって管理職について…まあ、これまで
怪我、病気に一切かかったことのない身体なのだ。
「……ゔ…ぁ…?」
もしかして、いやかなり仮説なのだが。
俺のいつもいるあの空間が
仮に無菌空間だとしたら?
__そこで何十年、何百年くらい長い時を
過ごしていたとしたら?
人間、使わない免疫はどんどん退行していくだろう。
そして今回、言い方は悪いが
あの空間よりも雑菌まみれな世界に来た俺。
あっれぇ、もしかして
俺の体、かなり虚弱なんじゃねぇの。
いや、動けるけどな。
筋力はあるが、免疫と体力がないんだな。
「って、テメェ血なんか吐きやがって!!
俺の服汚れちまったじゃねぇかよぉ!!!?」
驚いて固まっていた覆面男も我に返ったらしく
俺に向かって拳を振り上げた。
それを避けようと試みるが
ワンテンポ遅れた。
これは頬に拳が当たるな。
そう覚悟を決めギュ、と固く目を閉じる。
「__目は開けておいた方がいいですよ。
人生、何が起こるか分かりませんからね」
そんな声が背後から聞こえ、驚いて目を開けると
背後にいたはずの其奴は俺の前に立ち
覆面の男の拳を片手で受け止めていた。
__そろそろ動くんだろうとは思っていたが
そんなに格好良く登場するか?普通。
「あと、弟さんが心配してましたよ。
後でちゃんと説明してあげた方が良いかと」
「……ご親切にどうも、お兄さん」
心の中で呟く。
テメェだけに言われたかねぇよ。
安室透もとい降谷零さんよぉ。
__その僅か数秒後に警官が突入し
犯人は全員確保された。
俺は…案の定検査入院を余儀なくされました。
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あお果実(プロフ) - とても面白いです!これからも応援しています(*´∀`) (2019年3月28日 12時) (レス) id: 11c4dc89d1 (このIDを非表示/違反報告)
おと姫と愉快なサカナたち(プロフ) - この世界観好きだ…更新待ってます! (2019年3月26日 11時) (レス) id: e21618e8ed (このIDを非表示/違反報告)
ユウナ - とっても面白いです!更新楽しみにしています。頑張って下さい! (2019年2月18日 20時) (レス) id: 9d0d0719af (このIDを非表示/違反報告)
佐峅@岩動(プロフ) - ノルゼリイさん» コメントありがとうございますー!中々の苦労人ぶりに作者自身こうなるはずでは…!と嘆いていま(せん) パソコンは……成り行きですね!壊しちゃいました…。更新頑張っていきます! (2019年2月15日 12時) (レス) id: 1d5638e044 (このIDを非表示/違反報告)
ノルゼリイ(プロフ) - 久しい更新嬉しいです!どんどん苦労人へと変化しちゃいましたね……パソコンなんてやばかったですもん。これからも楽しみにしてますー (2019年2月15日 12時) (レス) id: 8f5d447aaf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:佐峅 | 作成日時:2018年11月12日 0時