その18 ページ18
「__大丈夫ですか？」
そう声をかけてくる後ろの人。
いや随分と肝が据わってるなと思いつつ
返事をしようと振り向いた。
…眼前に広がるミルクティー色の髪。
色黒な肌。
「……ああ、まあ…」
「怖いですよね…カラオケ店で人質を取るなんて…」
俺はこの不運が怖いわ。
ヒロ青年の不運ってここまでくると
最早事件ホイホイだぞ。
__現実逃避してる俺だが
目の前にいる褐色肌の男は御察しの通り安室透である。
いやお前こないだ会ったよな？
お？何だこの遭遇率。
しかも割と町のはずれ側にあるカラオケ店だぞ。
何でここにいる公安警察さんよぉ。
暇なのか？暇なんだな？歌いに来たのか？
と思いつつ顔には出さないようにしている。
これでも長くキャラと関わってるんだ。
最近来たばかりのあのクソアマと比べりゃ雲泥の差だぞ。バレるわけがねぇ。…心の声でも聞こえねぇ限りは。
「ここの店長を出せ！！！
さもないとこいつらの中から一人ずつ殺す！！！！」
と近くにいた覆面を被った男が叫ぶと同時に
轟く轟音。
響く悲鳴。
いや、不協和音のオンパレードじゃねえかと
内心達観している俺である。
というかそんな易々と武器見せていいのか。
と犯人に助言したくなる。
ほら俺の隣にはパワーゴリラのあむぴがいるんだぞ。
なんならそのうち死神のコナンやら
もしかしたら黒い組織の方々が来るかもしれんぞ。
「……ねぇな」
思わず口から溢れた言葉は
シンと静まり返ったその空間で酷く綺麗に響いた。
やべ、と口を押さえた時には
覆面の__拳銃か何かを持っていた__男が
俺の髪を引っ張り顎に銃を突きつけていた。
隣の愚弟はガタガタ震えている。
いや、直接ヤバイのは俺だからな。勘弁してくれ。
「あぁ？？何がねぇんだよ。
店長が来るわけねぇってか？？あ？？？？」
そう鬼の形相でまくし立てる男。
いやいやそんなこと言ってねぇから、落ち着けよ。
__いや待てよ。
ここで俺の様子が変われば相手は混乱するのでは。
そこから通報してだな。
幸運な事に俺には携帯という強い味方がいる。
回収される前に足首に隠していたのだ。
軽い電話なら容易い。
ということで適当に理由を考える。
少し考え、
__この手ならいける。
そう内心ほくそ笑んだ。
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あお果実(プロフ) - とても面白いです！これからも応援しています(*´∀｀) (2019年3月28日 12時) (
レス) id: 11c4dc89d1 (このIDを非表示/違反報告)
おと姫と愉快なサカナたち(プロフ) - この世界観好きだ…更新待ってます！ (2019年3月26日 11時) (レス) id: e21618e8ed (このIDを非表示/違反報告)
ユウナ - とっても面白いです!更新楽しみにしています。頑張って下さい！ (2019年2月18日 20時) (レス) id: 9d0d0719af (このIDを非表示/違反報告)
佐峅＠岩動(プロフ) - ノルゼリイさん» コメントありがとうございますー！中々の苦労人ぶりに作者自身こうなるはずでは…！と嘆いていま（せん） パソコンは……成り行きですね！壊しちゃいました…。更新頑張っていきます！ (2019年2月15日 12時) (レス) id: 1d5638e044 (このIDを非表示/違反報告)
ノルゼリイ(プロフ) - 久しい更新嬉しいです！どんどん苦労人へと変化しちゃいましたね……パソコンなんてやばかったですもん。これからも楽しみにしてますー (2019年2月15日 12時) (レス) id: 8f5d447aaf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佐峅
| 作成日時：2018年11月12日 0時
