007 ページ7
すっかり傷も癒えた俺です。
時間の流れが早い?うん…それは俺も思ったけどこれでも2週間は経ってるんだぜ。
早いとはいえ何も無かったわけじゃない。
まず、蝶の羽織の彼女_名前を聞けば胡蝶しのぶというらしい_からはひたすらに説教をいただいた。
要約すると《いい加減にしろ死にたがり野郎》ってところでした。かなり不本意だったがこれのおかげでこの世界の俺についてだいぶ理解した。
この世界の俺は東門Aといい、これは俺と一緒だった。むしろここだけしか俺との共通点が無いとも言える。
階級は丙というらしくまあまあ上の方らしい、よく分からなかったが。
鬼と対峙する際、俺は毒の呼吸とやらを使うらしい。
そもそもまず『呼吸とは?』という疑問から始まるのだが流石に聞ける状態ではなかった。__まあ、なるようになれと投げやりである。未来の俺、頑張れ。
そしてここからが肝心なのだが、ここの俺はかなり不器用な人間だったらしい。…何故、と思うだろうか。ただ不器用なだけだろう、そう感じても違和感はない。
補足を入れよう。人間関係に関して死ぬほど不器用…というか口数が少なすぎて思いが上手く伝わってなかったそうだ。
____いやもうそれ致命的ーーっ!!!と叫ばなかった俺を褒め称えたい。多分表情には出てただろうけど。「大丈夫ですか?」って聞かれたから。うん。
そしてその後俺の後輩を名乗る隊士が俺の元を訪ねて来た。何でも、俺が死んだと胡蝶さんに報告した奴らしい。テメェが元凶か。
俺が文句の一つでも言ってやろうと口を開くよりも早く、彼は俺の目の前で土下座をした。それも綺麗に頭を地面に擦り付けて。
……いや俺ベットに寝てるからもう彼の姿は見えないんですけどね。
「勝手に突っ走って申し訳ないです!!!」
尚且つ先輩が連れ去られるのをただ見ていただけな俺にどうか罰を!と言う彼に申し訳ないが正直引いた。
いや、そんなことで罰って…だってお前動けなかったんだろう…。
そう思う俺はジッと見やってから、罰はいらないだろ、と声をかける。
「強くなればいい」
そして俺のことを守ってね。と内心下心を含ませながら彼を返したのだが、この対応が何故か隊士の中で噂として広まったそう。
【東門隊士は冷たく見えるが人情味のある人だ】と。
__その噂だと、今までの俺は人情味なかったってことにならねぇか。
そう思ったが実際そうなのだから何も言わないことにした。
179人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「鬼滅の刃」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
琴律(プロフ) - とても面白かったです!イメログの方も見させて頂きました!とっても上手ですね!!無理しない程度に更新頑張って下さい! (2020年3月10日 9時) (レス) id: b4e402c9aa (このIDを非表示/違反報告)
25253 - 面白かったです!これからも頑張ってください (2020年3月10日 9時) (レス) id: a847137800 (このIDを非表示/違反報告)
そらるな(プロフ) - 楽しかったです。更新待ってます。 (2020年3月8日 0時) (レス) id: 4a84e506c1 (このIDを非表示/違反報告)
そらるな(プロフ) - 楽しかったです。更新待ってます。 (2020年3月8日 0時) (レス) id: 4a84e506c1 (このIDを非表示/違反報告)
佐峅@岩動(プロフ) - 海谷2128:Δさん» コメント、励ましの言葉ありがとうございます!趣味でもありますのでちまちま更新して参りますので、気長にお待ち下さい!これからも頑張ります! (2020年2月26日 19時) (レス) id: 1d5638e044 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:佐峅@岩動 | 作成日時:2020年2月25日 20時