さん ページ3
がっしりと腕を掴まれた僕は
先程までいた喫茶店の上にある
武装探偵社とやらの事務所へと連行されている。
多少は断ったんだよ。一応。
でも太宰とやらが執拗に来いって言うから
僕が折れました、はい。
「…武装探偵社、でしたっけ」
「はい、武装探偵社です」
右腕を掴んでいる白髪の青年
…確かナカジマと呼ばれていた…は
ニコニコとしながら僕に言って来た。
そのついでに一応、念押しをする。
「__危なくはないですよね？」
その問いに彼は表情をぴしり、と固めた。
恐る恐る僕の左にいた太宰…さんを見るも
目を合わせてはくれない。
__えっ、此処まで来て僕、帰りたいんだけど。
そんな訴えを言葉にしようとしたが
時すでに遅し。
目の前には武装探偵社と思われる
事務所の入り口があった。
「安心し給え！！
武装探偵社と名は物騒かもしれないが
実際はそこまで__」
太宰さんはきっと僕にそこまで危なくはないと
言いたかったんだろうが、
言いながら扉を開けた彼が
中にいた眼鏡の男性に鳩尾を殴られてるのを見て
僕は察しました。はい。
「…帰ろ」
「い、いやいや！！
これは偶々で__」
偶々でもこんなことあっちゃダメだろう…。
それにその偶々が今起きちゃあだめだろう…。
「ん。
何だ、太宰。依頼人か？」
そして太宰さんを殴った彼が
僕の方を見て来た。
そして僕も殴られるんじゃないか、という
被害妄想が頭をかすめていく。
「__えっ、いや、その
僕、帰ります、はい」
そして右腕を掴んでいた彼に
僕の個性『道化師』のリムーブを使う。
今回はそこまで重症では無かったから
全身に鈍い痛みが走る程度だとは思う。
だが、それでも、彼らに取っては。
僕が何をしたのか分からずに
只々、ナカジマが倒れ込んだように見えただろう。
「__小僧！！？」
眼鏡の人がナカジマに目をやった隙をついて
僕は踵を返して、武装探偵社から逃げ出した。
「__何なんだ、ここは！！」
僕はこんな世界を望んだわけでは無い。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 795人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
printemps(プランタン)(プロフ) - 続き見たいです！ (2020年5月8日 17時) (
レス) id: a86d5a1323 (このIDを非表示/違反報告)
伏見(プロフ) - 此方も見させてもらいました！！！！やっぱりどの作品も面白くてドキドキして！！！大好きです！！両立頑張ってください！ (2020年2月27日 20時) (レス) id: 0ddd17ae02 (このIDを非表示/違反報告)
雪雷(プロフ) - 続きが気になります！更新頑張ってください！！ (2019年3月23日 10時) (レス) id: b0f6824b77 (このIDを非表示/違反報告)
零斗 - とても面白かったです！これからも更新頑張って下さい！ (2018年11月24日 15時) (レス) id: 300461bf22 (このIDを非表示/違反報告)
零 - おわってしまったのですか？そうだとしたらとてもかなしくおもいますとてもいいさくひんだったのでこうしんをおまちしています (2018年6月16日 20時) (レス) id: 3ed6686768 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：佐峅
| 作成日時：2017年4月30日 8時
