じゅうはち ページ18
何かが変わった気がした。
いや、変わった。
ポツリとそう心の中でこぼし
窓の外を見やった。
__快晴。雲ひとつなく清々しい筈のこの天気が
何故だかとても気持ちが悪かった。
何だ、この違和感は。
何かを見落としている気がしてたまらない。
その何かが分かれば僕は変われるだろうに。
「…おーい、A君？？
聞いてるのかい？」
「え」
ひらひらと目の前で手を振る太宰に驚き
座っていた椅子から転げ落ち、
その拍子に腰と腕を強打した。痛い。
「そ、そんなに驚かなくとも_」
「いや、あれですって。
ボォっとしてたから、ついつい」
そう笑みを作ろうとしたが
うまく頬が上がらない。何故だ。
指でグッと頬をあげるが
それでもいびつな笑みのままだ。
「…何だかAさん、
あの組織と接触してから
何だかぼーっとしてますよね？
何かありましたか？？」
心配そうに僕を見やる中島青年に
寝不足かな、と適当に返してグッと体を伸ばした。
「…で、何の用っすか？？
呼んでたみたいですけど」
「ああ、そうそう！
たまには気分転換にでも行ったらどうだいって
助言をしようとしたのだよ！」
刹那、奴の頭に手刀を入れたのは悪くないはずだ。
もちろん軽くだから痛くはない。はずだ。
たかがそれだけの為だけに
僕を呼んでいたのか、と思うと
怒りというより呆れが勝ってくる。
しかもギルド…とやらの刺客が来てるらしく
物騒なこのヨコハマの街を
ウロウロしろと。
「殺す気か」
「いや、君きっと死なないだろう！？」
間髪入れずに帰って来たアンサーに
まあ、確かになぁと言葉を発した。
笑みを浮かべて個性を使えば、僕は死なない。
キャパを超える前に痛みを移せば、
僕自身は傷つかない。
…そりゃ、進めるわけだ。外出を。
「んじゃあ、有り難くその助言を貰って
ブラブラして来るかな…」
そのうち帰るから、と少し声を張り上げ、
探偵社を出る。
__何かが、起きる。
そんな予感を胸に抱きながら。
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printemps(プランタン)(プロフ) - 続き見たいです！ (2020年5月8日 17時) (
レス) id: a86d5a1323 (このIDを非表示/違反報告)
伏見(プロフ) - 此方も見させてもらいました！！！！やっぱりどの作品も面白くてドキドキして！！！大好きです！！両立頑張ってください！ (2020年2月27日 20時) (レス) id: 0ddd17ae02 (このIDを非表示/違反報告)
雪雷(プロフ) - 続きが気になります！更新頑張ってください！！ (2019年3月23日 10時) (レス) id: b0f6824b77 (このIDを非表示/違反報告)
零斗 - とても面白かったです！これからも更新頑張って下さい！ (2018年11月24日 15時) (レス) id: 300461bf22 (このIDを非表示/違反報告)
零 - おわってしまったのですか？そうだとしたらとてもかなしくおもいますとてもいいさくひんだったのでこうしんをおまちしています (2018年6月16日 20時) (レス) id: 3ed6686768 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佐峅
| 作成日時：2017年4月30日 8時
