じゅうろく ページ16
「って何躊躇なく
人殴ってるんですかAさん！！」
中島青年が僕に叫んだ。
いや僕も叫びたいよ。
慣れって怖い。
「いや、こうしないとアレかなって」
「アレって何ですか！！？」
白目むきそうな勢いで彼は僕にまくし立てる。
いやいやよくそんなに言えるね。
僕にはちょっと無理な芸当だなぁ。
「いや、僕自身もよく分からないけど、
身体が勝手に動いたというかなんと言うか…」
結果良ければ全て良しってことでいいよね、
と呟いた僕は少女を近くの路地裏へ運び
苦しくない程度に横に寝かせた。
このまま中島青年に引き渡しても良いが
彼女のことを考えるとそれは正しくない気がした。
__なんと言えばいいか分からないが、
彼女にも成し遂げたいことが有ったのだろう。
「……」
少し考えてから、懐から紙とペンを取り出し
殴り書き程度の文字の羅列を並べ
それを彼女の手にしっかり握らせた、
大丈夫。一応英語？で書いたから
外人さんでも読めるはず。多分。
そして中島青年たちのいるところへ戻ると
ガッシリと強い力で肩を掴まれた。
それはもう狐の様に目が釣りあがって。
えっ、僕何かしたっけ、
「っ何処行ってたンですか！！？Aさん！
僕たち今必死で探してたンですよ！！！」
__ああ、と納得した。
そりゃ保護してる奴が居なくなったら探すだろう。
だから必死で探してたと、保護してる僕を。
何だか複雑な気持ちになった。
僕が今探されていたのは、
探偵社で保護してるからであって、
僕が保護されてなければ
きっと心配はされないだろう。
「ちょっと、見覚えのあるような景色があって
フラーっと行っちゃったんですよねー」
「いや、それで何かあったら…ハァ…」
迷惑かけてるのは承知だけど
そうでもしないと僕は生きていけない状況なんだ。
家無し、金無し、異能力無し。
あるものは、
笑顔を貼り付けるスキルと、
『道化師』の個性だけ。
ヘラリと口元を歪ませ、彼らにいう。
「多分もうこんなことないと思うから安心して」
__僕の居場所がここではないということを
理解しているから。ね。
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printemps(プランタン)(プロフ) - 続き見たいです！ (2020年5月8日 17時) (
レス) id: a86d5a1323 (このIDを非表示/違反報告)
伏見(プロフ) - 此方も見させてもらいました！！！！やっぱりどの作品も面白くてドキドキして！！！大好きです！！両立頑張ってください！ (2020年2月27日 20時) (レス) id: 0ddd17ae02 (このIDを非表示/違反報告)
雪雷(プロフ) - 続きが気になります！更新頑張ってください！！ (2019年3月23日 10時) (レス) id: b0f6824b77 (このIDを非表示/違反報告)
零斗 - とても面白かったです！これからも更新頑張って下さい！ (2018年11月24日 15時) (レス) id: 300461bf22 (このIDを非表示/違反報告)
零 - おわってしまったのですか？そうだとしたらとてもかなしくおもいますとてもいいさくひんだったのでこうしんをおまちしています (2018年6月16日 20時) (レス) id: 3ed6686768 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佐峅
| 作成日時：2017年4月30日 8時
