thirty_five ページ35
__カツリカツリと
靴底が床と当たる音が響く通路。
私はゆっくりと閉じていた瞳を開け
周りを見渡します。
そして私のいる牢の前に立った人を視認して
ハァ、とため息を吐く。
「__随分と役人とは、おヒマなのですね。
柳瀬様」
まだ２０分と経っていませんよ、と伝えれば
いや、あの、と口ごもる彼。
「……元はと言えば、僕らのせいなので、
その……申し訳ない」
土下座をした柳瀬様に驚きながらも
そんなことさせてはならないと思い
無意識の内に体を動かすと
この特殊な牢の機能が作動する。
__この牢は、
必要以上に動けば、電流が流れるのだ。
「っああぁあぁぁ！！？」
いくら使用人と言えども、
こんな事に耐性などついているわけがありません。
耐えきれない痛みを誤魔化すために
喉から声を絞り出す。
「主殿！！！早く頭を上げなければ
A殿が！！」
「っああ…」
私の身を案じてか、
彼は直ぐに頭を上げてくれました。
「お気遣い…感謝致します………。
私は、大丈夫ですので、
どうか、お引き取り、下さい」
そう伝えれば彼は不安そうな顔を為されましたが
隣に居る一期一振殿が柳瀬様の背を押して
牢から離れて行きました。
「……はぁ」
こんなみっともない私の姿をお見せするなど
使用人として、最も屈辱的な事だ。
手枷を嵌められ、其れには鎖に繋がっており
其れは更に上部に__
……見ない事にしましょう。
視界に入れれば入れるほど
気持ちがどんどん下がって行く。
「……さて、どうしましょうか」
貴金属類は全て取られ、散々殴られました。
《俺らの仲間を何故殺したんだ》と。
《お前のせいだ》と。
柳瀬様が気付かないのにも無理はありません。
殴りつける方々は顔を殴ろうとはしませんから。
まあ、普通に考えて
役人の方が捕らえた審神者を痛めつけることは
殆ど有り得ないでしょうし。
「__そろそろ頭は冷えたか？
使用人」
カチャリと、戸が開き
その先には私を殴っていた方々の一人が。
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孤縷 - えっと…今後、更新の予定はおありでしょうか。お待ちしています。終わらないで…！ (2018年3月19日 15時) (
レス) id: 6e76e80232 (このIDを非表示/違反報告)
あい - よーし、政府ちょっとあんたの家教えて？同じ目に遭わせてやるから(*⌒▽⌒*) (2017年6月2日 23時) (レス) id: 332d0053d7 (このIDを非表示/違反報告)
佐峅＠暹羅(プロフ) - LOVE&Animeさん» 在り来たりな小説だときっと皆様の目には止まらないと思ったのでちょっと斜め上を行ってみました！これからもっと複雑にしていけたらなぁと思っております！！コメントありがとうございます！！励みになります！ (2017年2月17日 10時) (レス) id: 69415a49e7 (このIDを非表示/違反報告)
佐峅＠暹羅(プロフ) - 浅葱さん» 返信遅くてすみませんっ！！更新頑張っていきます！主人命って感じの夢主ですからねぇ……うふふ← (2017年2月17日 10時) (レス) id: 69415a49e7 (このIDを非表示/違反報告)
LOVE&Anime(プロフ) - 刀剣乱舞の小説を見てきて、執事という夢主は初めてで、とても面白いです! 主人をなくし、そして屋敷までもが… これからどうなるのか楽しみです！更新頑張って下さい！ (2017年2月17日 2時) (レス) id: 55de396f05 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佐峅
| 作成日時：2016年7月28日 14時
