twenty_two ページ22
「……ああ」
思わず頭を抱えました。
目の前に広がるのはグツグツと煮えたぎる味噌汁と
それを見て慌てる薬研殿。
__先に止め方を教えるべきでしたね。
ほんの少し罪悪感を抱きながら
予め汲んであった水を味噌汁に入れます。
こうすることで水の温度差が
吹きこぼれそうな状態を解消するのです。
「申し訳ございません。薬研殿。
お怪我はありませんか?」
「あ、ああ、俺っちは大丈夫だ。
にしても水ってあんなにもグツグツいうんだな…」
そう自分の世界に入っていく彼。
……とりあえず、夕餉を作り終えましょう。
そしてその後に鶴丸殿を治療して、
あの布を被っておられた彼もどうにかしなければ。
ああ、やる事が山積みだ。
「__使用人、それ、きっと食材じゃないと思うぜ」
「おや」
ぼぅ、と考え事をしていたせいか
近くにいた政府の狐に包丁を向けていた。
もちろん左手でそれを押さえつけて。
慌てて手を離すと、
何をするのかと思いましたよ、と
甲高い声で叫ばれました。
それに顔を顰めてしまいました。
__この声、好きじゃないんですよね。
女性によくある黄色い声、と呼ばれるものが。
「申し訳ございません、考え事をしておりました故
何か御用でしたか」
「忘れるところでした!!
政府より食材を頂いて参りましたので!」
そう言って何処からともなく
様々な食材が私の目の前に出されていく。
米に小麦粉。肉類に魚や貝。
私も見たことのない食材もありますね。
この星型のフルーツ、のようなものなど
見たことありませんし。
しかし、これで何とか
明日の朝の分はありそうですね。
「ありがとうございます。
さて、お礼にしては僅かなのですが
こちらを……」
そう言って、私は懐から瓶を取り出します。
それを揺らすとカチカチ、と小さくぶつかる音が
耳に木霊しました。
「……これは」
「飴でございます。
本当は油揚げがあればよかったのですけれど
生憎御座いませんので
こちらを、と」
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孤縷 - えっと…今後、更新の予定はおありでしょうか。お待ちしています。終わらないで…! (2018年3月19日 15時) (レス) id: 6e76e80232 (このIDを非表示/違反報告)
あい - よーし、政府ちょっとあんたの家教えて?同じ目に遭わせてやるから(*⌒▽⌒*) (2017年6月2日 23時) (レス) id: 332d0053d7 (このIDを非表示/違反報告)
佐峅@暹羅(プロフ) - LOVE&Animeさん» 在り来たりな小説だときっと皆様の目には止まらないと思ったのでちょっと斜め上を行ってみました!これからもっと複雑にしていけたらなぁと思っております!!コメントありがとうございます!!励みになります! (2017年2月17日 10時) (レス) id: 69415a49e7 (このIDを非表示/違反報告)
佐峅@暹羅(プロフ) - 浅葱さん» 返信遅くてすみませんっ!!更新頑張っていきます!主人命って感じの夢主ですからねぇ……うふふ← (2017年2月17日 10時) (レス) id: 69415a49e7 (このIDを非表示/違反報告)
LOVE&Anime(プロフ) - 刀剣乱舞の小説を見てきて、執事という夢主は初めてで、とても面白いです! 主人をなくし、そして屋敷までもが… これからどうなるのか楽しみです!更新頑張って下さい! (2017年2月17日 2時) (レス) id: 55de396f05 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:佐峅 | 作成日時:2016年7月28日 14時