ろくじゅーにー ページ12
慌てて家を出ようとすると
またスマホが鳴り出す。
「……っ」
もちろん相手は1人しかいない。
急いで開くと
『その場を動くな』と一文。
……もどかしい。
何で僕だけ言っちゃダメなわけー？
「__意味わかんない」
近くにある食器や雑誌が浮かび上がり、
僕の周りをフヨフヨ漂う。
何でいっつも僕ばっかり……！！
そんなに頼りないのかな。
僕だって一応新聞社の一員だよ。
「__ああ、もう、腹立つ！！！」
勢いよく浮いていたものが地面に打ち付けられる。
辺りにガラスが飛び散り、破片が僕の頬に掠る。
たらり、と血が垂れるが気にせずに
僕は廃墟を出る。
今更怒られることなんて慣れてるから
行かないで後悔するより、
行った方がいい気がするんだよねー。
と、出ようとしたが、
玄関で誰かとぶつかる。
「った！？
……あ」
そこには今あんまり会いたくない人が。
「__やあ、A君」
「……どーも、太宰さーん」
そう、太宰さん。
やっぱり胡散臭いから嫌いなんだよねー。
あとは僕と似たような人だからかなー。
もう一つ付け加えるなら、
こういう時に会う太宰さんは
尚更やっかいだから、嫌なんだよねー。
「何処かに行くのかい？」
そう首をかしげる彼。
……まあ、確かに僕の荷物はクッションだけだし？
財布も持たずに、って思ってるのかもしれないけど
「お腹すいたんでー。
いつもの所に食べに行くんですー」
そう笑みを浮かべ、そのまま出ようとするが
前に太宰が立ちふさがる。
「私とご一緒してもいいかい？」
「……えー」
実際ご飯食べに行くわけじゃないし、
つかどっちにせよ一緒には行きたくないな、僕。
だから、堂々と
嫌ですけど、と笑い飛ばす。
「……おや、そうかい」
そうニッコリと笑った太宰さんは
瞬きする間に僕の前に来ていた。
「っ！！？」
そしてそのまま殴られた。解せぬ。
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悠寿(プロフ) - 終わり…ですか…？続きがすごく気になります！！ (3月10日 18時) (
レス) @page15 id: 5a173e58b1 (このIDを非表示/違反報告)
うさ - え、 もう終りですか? (2020年10月13日 21時) (レス) id: d28b4c6020 (このIDを非表示/違反報告)
でぃちゃ(プロフ) - うわーーー！！！最近あんまり好きな小説が見つからなかったんですけどこれ最高です！好みドンピシャでオタクがビックバンを起こしました。地球育てられるレベルで尊いを叫びましたありがとうございます (2020年8月24日 22時) (レス) id: 0e9c842430 (このIDを非表示/違反報告)
零斗 - とても面白かったです！これからも更新頑張って下さい！ (2018年11月24日 18時) (レス) id: 300461bf22 (このIDを非表示/違反報告)
かかさ - 更新続けてくださいませんか・・・？ものすごく途中が気になります！ (2017年4月2日 22時) (レス) id: 15263e3df1 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：佐峅
| 作成日時：2016年7月18日 19時
