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第98話 ページ18

ー翌日ー

「何?七菜香。こんな所に呼び出して…」

「呼び出したのは私だけど…」

「……A」

私の名前を呼びながら七菜香の後ろから出てきたのは、優姫だった

「どうしたの、優姫…」

何かが、おかしい気がした

優姫は私の隣に立って、ケータイを取り出した

「これ、Aなんだよね…?」

見せられたのはあの写真

写真を見た後、七菜香を見た

私を嘲笑うかのような目で見ていた

「……ごめんね、優姫。いつかは謝らないといけないって…」

…パンッ

乾いた音と一緒に感じたのは頬への痛み

「優姫…」

優姫は泣いてた

ああ、こうなる事は分かってたの

そりゃそうだよ

最愛の人を友達に取られるんだもん

嫌だよね、分かるよ

私もそうだったよ

「写真を見た時、色々考えた」

鼻声の優姫が喋り始める

「何でだろうって、宗介さんは本当は私の事好きじゃなかったのかなって」

優姫が続ける

「兄妹同士で恋愛なんて……おかしいと思ってる」

それは私も同じ

……でも、全てを捨ててでも兄さんと一緒にいたいと思ってるから

「けど、七菜香…」

「は…私?」

「七菜香のした事、全部汚いよ。そんな事で橘先輩が振り向くと思ってるの」

なんでいきなり七菜香の話に…?

…っていうか優姫、七菜香の味方につくんじゃないの?

「でも、真琴先輩は私のキスを拒まなかった。それって少しでも好意があるって事でしょ」

また訳のわからない理屈を…

「…A、宗介さんの事はさっきのビンタでチャラね」

そう言って私に向かって親指を立てる

ビンタなんかで良いの?

「優姫…」

優姫は、今のビンタより痛い思いをしたはずなのに

「七菜香、私はあんたの味方なんかにつかないよ」

「……つまんない」

そう一言残して、七菜香は去って行った

「ほんとにごめん、誤って許されることじゃないけど…」

「だから!…良いんだって、もう」

強がりながら涙を流す優姫

すっごく傷付けたよね、私

でもごめんね、兄さんの事は諦められないんだ

「絶対、幸せになってよ」

背伸びしながら私の頬をつまむ優姫

優姫が親友で良かったって、胸を張って言える気がする

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初音ツバキ(プロフ) - 永遠の高校生さん» ええ!?大丈夫ですか??(;゜0゜)お返事が遅くなって申しわけありませんが、コメント本当に感謝です!励みになります!これからもどうぞよろしくお願いします! (2015年11月2日 18時) (レス) id: 5a96c81bd9 (このIDを非表示/違反報告)
永遠の高校生(プロフ) - 泣きすぎて、脱水症状が出るところでした。 (2015年10月28日 23時) (レス) id: c000b33630 (このIDを非表示/違反報告)
ゆぅか - 真琴との別れのところでは、涙が止まりませんでした…。時間が掛かってもいいので次は幸せになってほしいです! (2015年7月30日 11時) (レス) id: 9e29681e3d (このIDを非表示/違反報告)
初音ツバキ(プロフ) - くみさん» ありがとうございます!m(_ _)m最後まで嬉しい言葉の数々…!感謝しきれないくらいです(T . T)これからもどうか宜しくお願いします (2015年5月14日 22時) (レス) id: 5a96c81bd9 (このIDを非表示/違反報告)
くみ - こんばんは(*´▽`*)すごく面白かったです!宗介とずっと幸せでいられますように☆続編&新作すっごく楽しみです! (2015年5月14日 19時) (レス) id: 64d3ef2010 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:初音ツバキ | 作者ホームページ:http:/  
作成日時:2015年4月15日 22時

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