【ツキウタ。】ツキノ寮には、天然バカと訳あり少女が居るようで。2【卯月新】【霜月隼】 (ページ38)

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訳あり少女*36話【閲覧注意】ページ38

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「…彼女は、ごく普通(・・・・)の家庭に産まれた。

ずっと子供が欲しいと思っていた両親は、子どもが産まれ、とても喜んでいた。

…と、周りに見せかけて(・・・・・)いた。

彼女の両親は、無理矢理婚約させられていた。
そのせいで、両親の間に愛というものはなく、2人とも浮気ばかり。

しかも、志穂は浮気相手との子どもだった。

それを知った父親は、2人を置いて、家を出ていってしまった。

…初めての子どもで、子育ても分からない母親は、孤独の身になり、遂に精神を病んでしまった。

子育てなんてする余裕もなく、彼女は育児放棄された。

泣けば「煩い」と叫ばれ、ろくに食べ物も与えられず、愛なんて無いに等しい。

彼女が大きくなると、母親は彼女に暴力を振るうようになった。

物心つく頃には、もう暴力を受けていたらしい。

殴る、蹴るは当たり前。時には包丁で彼女の身体を傷つけたり、火傷を負わせたり等していた。

そんな彼女が最初に覚えた言葉は、「ごめんなさい」。
何時かの本で、「ごめんなさい」と言えば許させる。そう学んだ。

何をされても、彼女は泣くことをしなかった。
その理由は、母親が毎日のように言った言葉があったから。

「お前は望まれて産まれた子じゃない。要らない子なんだ。」

その呪い(言葉)は、今でも彼女を蝕んでいる。(苦しませている。)