【ツキウタ。】ツキノ寮には、天然バカと訳あり少女が居るようで。2【卯月新】【霜月隼】 (ページ27)

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訳あり少女*32話ページ27

*
隼サイド↓

「…はい、霜月です。…あぁ、先日はお世話になりました。」

ウッドデッキに出て、電話に出る。案の定、相手あの人(・・・)だった。

「はい。…日時、ですか。」

少し、返事を迷った。
日時、それはタイムリミットを意味する。

「では…1月、ではどうでしょう？」

…本当は、１ヶ月貰えれば充分だった。
けど、最後だからと、彼女の時間を多く貰うことにした。少しくらい贅沢してもいいでしょ？

「ありがとうございます。…では、また。」

電話が切れ、『通話終了』の文字を見て、ふぅ、と一息つく。

そのままウッドデッキを出て、廊下を進んでいく。わざわざウッドデッキにに行く理由は、あまりこの会話を聞かれたくないからだ。特に志穂に聞かれたら…ねぇ。

そう言えば、志穂は大丈夫かな。
“怖くなったら、僕の部屋においで。”とは言ったけど、不安だ。

まぁ何かあれば僕のおまじないでどうにか、と考えながら扉を開けたその時。

大「ちょ…やめろっ!!!」

大の大声が聞こえた。

＿＿あぁ、忘れていた。
今日は、大が来る日だった。

悔やむ点は色々あるが、とりあえず今は＿＿

僕は急いで、声の聞こえた方へ行く。

志穂「っあ、あはははは、あはははははっ……!!!!!!!」

そこには…泣きながら、笑って、手首を掻く、壊れてしまった(・・・・・・・)志穂の姿が。

あぁ、どうやら手遅れだったみたいだ。
…この姿はもう、見たくなかったのに。

僕は、そっと、志穂に近づいていく。
すると、僕に気づいたのか、皆が一斉に振り返った。

海「っ、隼…！」

皆、ごめんね。怖い思いをしただろう？
志穂、ごめんね。今、とても辛いだろう？

＿＿後は、僕の仕事だ。