【ツキウタ。】ツキノ寮には、天然バカと訳あり少女が居るようで。2【卯月新】【霜月隼】 (ページ20)

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訳あり少女*29話ページ20

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大サイド↓

トン、トン、トン、と螺旋階段を上がっていく。
目指すは3階、Procellarum(あいつら)がいる所だ。

何故俺が今、三階に向かっているのか。
それは今日、全員がオフの為、俺が隼に企画書を届けなくてはいけないからだ。ツキノ寮にまで足を運ぶのは、そこまでなかったし、来るのは久しぶりである。

それにどうやら隼の妹…志穂、だっけか。その子がツキノ寮に住んでいるらしい。何気に会うのは初めてだ。一体、どんな子なんだろう。

そんなことを考えながら三階に上がり見てみると、殆どが、居間に集まっていた。

郁「あっ、黒月さん！こんにちは！」

涙とゲームをしていた郁が、爽やかな笑顔でそういうと、皆は口々に挨拶をした。俺はそれらに挨拶をしながら、ソファーに腰を掛ける。

夜「黒月さん、お疲れ様です。珈琲淹れたので、よかったら…」

そう言って、俺に珈琲を出す夜。

「お、夜。ありがとな。」

我が子(同然)の優しさを身に感じながら、珈琲を一口飲む。

夜「そう言えば…黒月さん、どうしてここに？」

「あー、隼に企画書を届けに来たんだが…隼って、何処にいる？」

夜「隼さんならそこに…ってあれ、いない。」

隼の定位置であるソファーには、誰もいない。
すると、それを聞いていた陽が、こう言った。

陽「隼ならさっき、居間から出ていったぜ。」

「そうか。じゃあ一回隼の部屋行ってみる。ありがとな、二人共。」

夜「いえいえ。」

夜に珈琲ごちそーさん、と伝え、廊下の方へ行く。
そこに続く扉を開けようとした瞬間、ふと思い出した。

「そう言えば、ここに住むことになった子って、何処にいるんだ？」