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訳あり少女*27話 ページ16

*

次の日の朝。

涙「海、志穂どうだった…?」

開口一番、涙は寝癖を揺らしながら聞いてきた。

志穂ちゃんのあの姿を見たあと、俺はとりあえず寝ようと思い、自室に戻ったのだがなかなか寝付けず、結局昨日はオールしてしまった。

…とは言え、昨日のことはさながら夢のように思える。
口頭で言って、涙は信じてくれるだろうか。

…いや、言わない方がいいのかもな。
これは、俺の口から話す事じゃない。
いつか、隼が話してくれると思うし、それまでは。

「あー…実はな、昨日そのまま寝ちまって…」

咄嗟に嘘をつく。すると、涙はじーっと俺の顔を見つめると、

涙「…海の嘘つき。クマあるよ…?」

と、俺の隈を指差して言った。

「あ、あー…それは…」

パッと目線逸らし、頬を指で掻く。
未だ涙にじーっと見つめられているせいで、冷や汗が頬を伝った。

どうする…俺あんまり隠し事は好きじゃないんだけどな…でも涙にこの事を言うのも、気が引けるし…。

俺が悶々と考えていると、俺の目の前に白い髪が。

隼「涙、海は深夜に志穂を見たよ。」

そしてはっきりと言ってしまった。

「え、ちょ、隼…」

隼「でもね、まだ君達には教えられない。」

そう言って、意味ありげに微笑む。

涙はそれを見て、本の少し怒ったようにこう言った。

涙「何で教えてくれないの…?僕だって、志穂のこと心配で…」

隼「うん、分かってる。だから気になったんだよね。でも、もう少し待ってて?」

涙「もう少しって、いつ?」

隼「うーん…1週間位、かな?」

涙「長い…」

不満そうに呟く涙に、隼は笑って「今度志穂に会ったら、一緒に遊んであげてね?志穂も楽しそうにしてるから。」と言うと、涙は嬉しそうに「うん」と言った。

訳あり少女*28話→←天然バカ*28話


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作者名:衣純 柊-シュウ- x他6人 | 作者ホームページ:https://twitter.com/mizuiro_onp?s=09  
作成日時:2016年11月9日 18時

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