３：偽善者 ページ3
私は叫んだ…けど父は一瞬見てその場を去った
同じだ…他のヒーローと同じ、私たちを見捨てた
「A、この上に乗って」
私は兄の言われるがままその上に乗った
すると兄の個性によって私と母が上へと上昇した
気付けば炎の上におり、少しするとヒーローが助けに来た
その後、姉は別の場所で保護されており、母はあの場所で大きな衝撃を受けてしまい、意識が戻ってない
そして兄は…
A「…。」
あの時、取り残されて亡くなった
「まだ若いのにね」
「お父さんの所でヒーロー活動してたんでしょ？」
「サンドミニオンだろ？一体何してたんだ？」
「他の所に居たんだろ」
他の所？
違う、あいつは近くにいた
そして私たちを見捨て…兄を殺した
「え？今から！？」
遠くから姉の声が聞こえる
父「仕方がないだろ、人手が足りないんだ」
姉「だからって兄さんの葬式中なのに行くなんて！！」
父「こっちが優先だ」
意味が分からなかった
何を優先だって？他人を助ける事が？
A「なんで…なんでよ！！」
全員：！！！
A「他人なんてどうでもいいじゃない！何でお母さんと兄ちゃんを助けてくれなかったの！？」
父「…後は頼むぞ、真木」
姉「ちょ！父さん！！」
父は仕事を優先した
兄の葬式などどうでもいいんだ
何が市民を助けるヒーローだ
家族を守れないならヒーローでもなんでもない
姉「はぁ…なんでこう……あれ？A？」
私は外に出た
ヒーローなんてただの偽善者だ
ヒーローは自分の名誉の為にやってるんだ
あの人を見て全て分かった＿
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