２：憧れ ページ2
昔の私はヒーローに憧れていた
父がプロヒーローだから？
ううん、違う
兄がヒーローに憧れていたからだ
兄は小さい頃から父に憧れていた
父も世間からは頼れるプロヒーローだった
けどそれは世間一般ではの話
本当に父は厳しい人だった
兄と姉に厳しい訓練をさせていた
もちろんそれはプロヒーローにさせる為
まだ幼かった私は訓練には参加しなかったが見学はしていた
姉はいつも泣いていた
けど兄は泣かなかった
どうしてって聞いたら
『辛いけど強くなる為だから』」そう言って笑ってた
本当にすごい人だと思った
私は兄みたいになりたいって思った
数年後、本当に兄は強くなった
雄英高校に推薦で入り、その中でも上位にいた
そのまま兄は卒業し、プロになった
父の事務所に入り、よく2人でテレビに映ってるのを見た
私もいつかは兄のようになりたい…強く思うようになった
けど人生というのは上手くいかないもんだ
ある日、母と姉の３人で出かけた時、大きな事件に襲われた
大きな爆発だったのか、私と母は飛ばされた
気がついた時には目の前が炎の中に囲まれていた
横には血を流してる母がいた
呼んでも返事をしてくれなかった
助けを呼んでも誰も来なかった…いや来ようとしてくれなかった
近くに来てくれるヒーローは私たちなんかよりももっと
安全な所へ行き、そこの人たちを助けていた
何で私たちを助けてくれないの？
息が苦しくて声も出せなくなってきた
その時に助けに来てくれたのが兄だった
「大丈夫…母さん！？A！？しっかりしろ！」
兄だけだった
兄だけ私たちを見捨てないでしてくれた
兄は私たちをこの炎の中から助けようとしてくれた
けど予想以上に炎が強かった
その時だった、空に父の姿があった
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