part86 ページ37
「可愛いな」
「あまり女の子ー、みたいな感じでもないし。カップル用なのかな?」
「あー。青とピンクだしそうなのかも。」
「え?これ紫じゃないの?」
「紫がかったピンクかと思った…」
「まあいっか。これ買おうよ」
「玄師お揃いがいいの?可愛いねぇ」
「Aだってやぶさかじゃないくせに」
2人でくすくす笑い合う。それから米津はキーホルダーと自分のお土産を持ってレジに向かっていった。買ってくれるのか。イケメンか?俺は父親の分を選ぶ。あまり多くないお菓子とかの方が楽だろうと選んで、それから何となく戻っても米津と食べようなんて考えて自分の家に置いておく分も買う。先に店を出ていた米津の元へ行くと、米津はひょいと俺の荷物を手に取った。
「女の子じゃないんだし、いいのに」
「いーじゃん。俺だって可愛いだけの男じゃないんで。」
気にしてたのか。可愛い時があるだけで基本的にかっこいい部類に入ると思うんだけどなぁ。でも言うとなんか負けた気になるから言わない。集合場所へ向かうと、5分前にも関わらずまだ殆どの人達がいなかった。ギリギリを攻める姿勢嫌いじゃないです。
大人しく集合時間まで待って、全員が来たことを確認してからバスに乗り、駅まで向かう。
何だかんだで修学旅行、とても楽しかったなあ。いつか米津と2人で来たい。新幹線に乗り込み、流れていく景色を眺めているうちに、眠気がやってくる。うとうとと微睡んでいると、頭を優しく引かれて、なにかに寄りかからせられる。もう瞼が重くて開かないが、寄りかかったところから暖かい感覚がする。なんだかとても安心して、俺はそのまま眠りについた。
目が覚めると、外はそれなりに暗くなり始めていた。体を起こすと、こてんと倒れてくる米津。そこで初めて寄りかかったのは米津の肩で、そのまま2人で寝たということに気がつく。呼吸に合わせて少し揺れる米津がとても愛おしくて、絡められた腕が愛らしくて、くっついた部分の温もりをずっと感じていたくて。見慣れた景色になってきた外を眺めながらもう少しこのままでいさせてほしいなんて考えていた。
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洋梨 - 続編おめでとうございます!1も2もちょくちょく小ネタが入っていて良すぎます… (2020年8月18日 3時) (レス) id: 536671a358 (このIDを非表示/違反報告)
灯巴里(プロフ) - 、さん» 忘れてました!すみません、ありがとうございます! (2020年8月16日 11時) (レス) id: 606c2e578b (このIDを非表示/違反報告)
むぎまる(プロフ) - 凄い…もう2まで行ったんですね!面白くて更新来るのいつもワクワクしてます笑頑張ってください´ω` (2020年8月16日 10時) (レス) id: db5695a9c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:灯巴里 | 作成日時:2020年8月16日 4時