part80 ページ31
「…何撮ってんだよ」
俺たちの正面にいた男子にそう言う。そいつは特に悪びれもなく、いやー、なんて言う。
「美形の絡みとか撮るしかないなあって」
「こいつ、BL好きなんだぜ。気をつけねーとすぐやられんぞ」
「別にちょっと楽しむだけなんだからいーじゃねぇか。まあ、悪用はしないからさ！」
恐ろしい。そうか、世の中には腐女子なんてものが大量にいるくらいなんだからそういうのが好きな男子がいてもおかしくないのか。…疑われないように気を付けないと。
「後で送って」
「なんだ米津、お前もこっち側か〜？」
「いや、思い出だし、ほしい」
「ほら米津はお前とは違ってもっと純粋なんだって！」
この男、相当純粋からかけ離れてますけどね。
その言葉は心の中でこっそり留めておいた。世の中言わない方がいいこともあるんだよ。というか米津自分で話せたじゃん。進歩だ。人知れず感動しながらスイーツを口に運んだ。
それからまた色んなところを練り歩き、集合時間2分前にホテルに戻ってくる。危ねぇ。点呼を済ませて、部屋に戻る。部屋には既に布団が敷かれていて、テンションが上がった数人が布団にスライディングする。
「やべー！布団だあー！」
「騒ぐな騒ぐな、ほら、風呂行ってこい」
「え？Aは？」
「俺人混み怖いし一応ってことで先生の個室の風呂に入れてもらう。米津も付き添い。」
「えー。一緒に入りたかったー。」
「ごめんごめん。今度な？」
「機会作るほどでもねぇよ」
他の4人と別れて、2人きりになってから米津を睨みつける。
「ごめんって…」
「お前ほんとやべぇからな…先生に説明すんのキツかったんだから…」
「てかなんで俺まで？」
「1人だけ俺の部屋に来ると今のご時世なんて言われるかわからないからもう1人くらい連れてこいってさ」
「男色家だと思われるってことね」
「やんなっちゃうよまったく」
何が1番やんなっちゃうかって、恐らくこいつがこうすれば俺が大浴場に行かないと踏んでいたことだ。やっぱり俺は愛の重い人に好かれるフェロモンでも持ってるのかもしれない。…別に、米津相手ならいいけどね。
「先生ー、失礼しますー」
「おー。2人で一気に入るか？」
「せまいせまい」
「じゃあ先生は酒でも買ってくるから、風呂はいったら待っとけ」
「はーい」
2人、順番で風呂に入り、あがって待っていると先生がレジ袋を手にして戻ってきた。
「ほい、ここで食ってから戻れよ」
差し出されたのはアイス。つめたくて、美味しかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 70人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「男主」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
洋梨 - 続編おめでとうございます！1も2もちょくちょく小ネタが入っていて良すぎます… (2020年8月18日 3時) (
レス) id: 536671a358 (このIDを非表示/違反報告)
灯巴里(プロフ) - 、さん» 忘れてました！すみません、ありがとうございます！ (2020年8月16日 11時) (レス) id: 606c2e578b (このIDを非表示/違反報告)
むぎまる(プロフ) - 凄い…もう2まで行ったんですね！面白くて更新来るのいつもワクワクしてます笑頑張ってください´ω` (2020年8月16日 10時) (レス) id: db5695a9c3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：灯巴里 | 作成日時：2020年8月16日 4時
