part76 ページ27
「やべーカープでっけー！」
「すっご…！」
新幹線から見える球場と、大きなカープの文字に興奮する俺たち。米津が野球好きかは知らないけど俺は野球好き。肩の関節が硬くて上手くボールを投げられないからやらなかったけど。新幹線をおりて、バス移動になる。そこでも決められた座席に座って、それからバスガイドさんの案内でバスが進む。
「広島城やべぇ…俺も殿になりてえ」
「一人称、余にでもしたら？」
「メンタル面変えてもどうにもならなくない？」
そんな雑談をしていると、到着したらしく前の座席の人達がおり始めた。それからしばらくしてお爺さんが出てきて、何かを話し始める。
「英語わからん」
「そもそも英語？」
「キリシタンなら英語圏にいるんじゃないの？」
「決めつけはいかんよ米津」
「でも発音が英語っぽくない感じしない？」
「あー。わからんってことだけ分かった」
「思考を放棄するなよ」
それからさらに話を聞くこと30分くらい。長い。もう夜も遅く、話が終わった頃には既に空は真っ暗だった。それでも街の灯りで周りは明るい。電気の発明は夜を殺すことになったんだなあ、なんておかしなことを考えながらまたバスに乗る。ホテルについて、夜食とルームキーが配られた。…忘れてた。今日、米津と2人部屋じゃん。急に思い出して、だらだらと汗が出そうになる。正直心の汗はだっぱだぱです。俺の気持ちなどいざ知らず米津は疲れたよー、とか言いながら部屋の鍵を開けた。まあ、ろ、ローションの話も冗談だろうからな。うん。部屋は白を基調にしていて当たり前だけど綺麗だった。
「俺こっちでいい？手前」
「おー。じゃあ俺こっちな」
「お風呂、どっち先に入る？」
「んー、どっちでもいいよ」
「じゃあ入ってくる」
「おう。」
米津は普通に着替えを持って風呂場へ向かって行った。やっぱり冗談だったな。さすがに修学旅行じゃ危険性がすごいしな。別に、期待なんてしてない。断じて違う。制服を着崩して、ベッドに寝転んでスケッチブックを開く。持ってないと嫌じゃん。1日絵を描かないだけで結構鈍る。ピアノとかと同じだと勝手に思ってる。俺だけかもしれないけど。ハチさんの曲を垂れ流しながら落書きをしてると、上裸の米津が出てきた。
「お風呂いいよー」
「…お前は服を着てから出てこいよ」
「早く空けた方がいいかなーって」
「心臓に悪いから着てから出ておいで、あとそれ他のやつのとこでやるなよ」
「？Aにだからやるんじゃん」
こいつさあ。
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洋梨 - 続編おめでとうございます！1も2もちょくちょく小ネタが入っていて良すぎます… (2020年8月18日 3時) (
レス) id: 536671a358 (このIDを非表示/違反報告)
灯巴里(プロフ) - 、さん» 忘れてました！すみません、ありがとうございます！ (2020年8月16日 11時) (レス) id: 606c2e578b (このIDを非表示/違反報告)
むぎまる(プロフ) - 凄い…もう2まで行ったんですね！面白くて更新来るのいつもワクワクしてます笑頑張ってください´ω` (2020年8月16日 10時) (レス) id: db5695a9c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：灯巴里 | 作成日時：2020年8月16日 4時
