part52 ページ3
次の日には軽い検査をしたけど特に異常はなかったし精神的にも安定していたので帰宅許可が出た。米津にLINEを送って、その拍子に昨日の発言を思い出してしまう。思い出して、1人で顔が赤くなって。あいつなんであんなこと言ったんだ。いや、あいつだって仮にも健全な男子高校生じゃないか。そういうことに興味があってもおかしくない。多分対象も俺だけじゃなくて他の人も含まれてるんだ。彼はやたらと知的欲求が旺盛なようだから男女の感覚の差とかに興味があっただけだ。
…自分で考えてて、悲しくなってきた。
なんで悲しくなったかはわからなかったけど、なぜか悲しい気持ちになったから別のことを考えることにする。別なこと、と考えることを探していると、米津から返信。行くから待ってろ、とのことだった。俺の部屋は昨日米津が掃除していてくれたらしい。本当に頭があがらない。20分くらいで米津は到着して、2人で並んで歩く。完全に何も無い、というわけでもなく筋肉痛のせいで身体中が悲鳴をあげている。俺の体ではたらく細胞とかやったら多分今凄いことになってる。だっていたいもん。ふと気がついたけど、いつも俺の歩幅に合わせてくれてるんだな、こいつ。それに、さりげなく車道側を歩いてる。彼女にやってやれよ、そういうのは。でも悪い気はしないから、気付かないふり。その日はそのまま別れた。問題はそれから。
「…あのさ」
「ん?」
「…さすがに、過保護すぎない?」
あの出来事以降米津はことある事に連絡してきて、その頻度にさすがに声をあげた次第である。だって、さすがに多い。起きたら連絡して、って言われて、ご飯食べたら教えて、って言われて、日中は俺の家に入り浸って、帰ったかと思えば夜何食べたか教えてって聞かれて、お風呂入るときと上がった時は教えないとダメだって言われて、寝る前にも報告。
監視を命じられた看守か?1週間も続けばさすがに違和感を感じざるを得ない。
「そうかなあ。」
「さすがに多いよ…。親じゃないんだから…」
心配してくれてるのは嬉しいけど、それで米津自身の時間を削られるのは困る。お前には自由に曲を書いたり絵を描いたりしていてもらいたい。半分エゴだけど、でも申し訳ないし、それに付き合ってるわけでもないし。
「だって心配じゃん」
「心配してくれてるのは嬉しいんだけどさ、俺は米津自身を1番に考えて欲しいんだよ」
電話越しだから、お互いの顔が見えなくて、段々声がイラついてきているのが分かる。
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洋梨 - 続編おめでとうございます!1も2もちょくちょく小ネタが入っていて良すぎます… (2020年8月18日 3時) (レス) id: 536671a358 (このIDを非表示/違反報告)
灯巴里(プロフ) - 、さん» 忘れてました!すみません、ありがとうございます! (2020年8月16日 11時) (レス) id: 606c2e578b (このIDを非表示/違反報告)
むぎまる(プロフ) - 凄い…もう2まで行ったんですね!面白くて更新来るのいつもワクワクしてます笑頑張ってください´ω` (2020年8月16日 10時) (レス) id: db5695a9c3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:灯巴里 | 作成日時:2020年8月16日 4時