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定時では上がれなかったけど、
7時すぎには家に着いて、やっと優太と喋れる。
「俺あの神宮寺ってやつ嫌いだわ〜」
「なんで?意外といいやつだよ?」
「お前見る目ねーな!」
まあ、俺しか見てないから男見る目培われてなくて当たり前かって、
自惚れたこと言ってるけど、
否定できないのが悔しい。
「俺さ、これから毎日Aの夢に出るわ」
「え?」
「夢の中だったら触れられるんだもん」
「昨日も、出たでしょ?」
「あ、覚えてたんだ。忘れてよ」
あそこに、Aは来ちゃダメだからねって、
そっか、あそこは、本来優太がいるべき場所なのか。
優太といれるならそれでもいいな、なんて思っちゃうから、
やっぱり私の時計はあの日から止まったまんまだ。
「はあ、俺Aの背中押してやれんのかな」
「え?」
「Aに幸せになってほしーけど.....他の男とAが笑いあってるとこ想像しただけで口から火でそう!!」
「どうせ私は優太のこと忘れられないもん」
「嬉しいけどそれじゃ困る」
「いいじゃん、ひとりでも大丈夫」
「だめ」
俺もちゃんと応援できるように気持ち整理するからAも前に進む努力をしろ!って、
優太にしては真剣な顔でお説教モードに入るから、
受け入れたくなくて、
無視してお風呂場に向かう。
シャワーで、心のゴチャゴチャとか、全部流れてくれればいいのに、
そうもいかず、優太のところに戻ると、
ギュッてしてほしくてたまらなくなる。
「なあ、A?」
「なに?」
「Aはさ、もし俺よりかっこよくて性格もいいやつが現れたらすきになる?」
「優太よりかっこよくて性格もいい人なんていっぱいいるけど私は優太が好きだもん」
「うは!ちょ、照れるって!やめろよ!」
「優太が言ってきたんじゃん。笑」
ベッドに入ると、
いつものおどけた優太の顔とは違って、
優しい、慈しみの目を向けてくるから、
この表情が好きだったな、
というか今も好きだなって、
優太のいろんな表情を、
頭の中で想い起こす。
おやすみ、って
優太の柔らかい声が脳の裏に響いた時には
私はもう既に夢の中に堕ちていた。
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涼杜兄妹(プロフ) - 岸くんの小説初読みがとても素晴らしい作品で、2人だけの結婚式のところめっちゃ泣きました。今後平野くんでどうなるのか楽しみです!応援しています! (2019年4月26日 23時) (レス) id: 400e48a6ce (このIDを非表示/違反報告)
しゅしゅ(プロフ) - はじめまして。読んでいると自分がこの作品の中に入り込んでいくようなもので、岸さんの設定もあり、何度か涙してしまう部分がありました。平野さんとの本編がとても楽しみです。ひとつのドラマのように見れたこの作品がとても好きです。 (2019年4月6日 5時) (レス) id: e8afa57bf5 (このIDを非表示/違反報告)
S(プロフ) - 初めまして。楽しく読ませていただきました。本編があるなんて楽しみです。 (2019年4月1日 2時) (レス) id: 123949a422 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - めっちゃめっちゃ本編楽しみです!私は岸くんが一番すきなので、岸くんの話を読めてホントに良かったです!更新頑張って下さい♪心から応援してます!!! (2019年3月31日 23時) (レス) id: 36d39b543c (このIDを非表示/違反報告)
光彩 - 初めまして。岸くん押しなので気になり読ませていただきました。すごく面白かったです。岸くんが消えてしまってさみしいですが、彼の願い通りヒロインと紫耀くんが幸せになれたら嬉しいです。本編も楽しみにしています。 (2019年3月30日 20時) (レス) id: 44ed791076 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ベリナ | 作成日時:2019年3月4日 18時