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「なんでここに?」
「ん?ここ来たらAちゃんいるかなって思って!」
「いや、意味わかんない」
「うん、俺もよくわかんない!」
この顔じゃなかったら絶対不審者扱いなんだろうなってくらいの
美しい顔で、眩しい笑顔を向けてくるから、
前会った時はそんな感じじゃなかったなって思う。
「で、なんでここにいんの」
「明日から研修始まるから!Aちゃんにあいさつ!」
「なにそれ」
「仲良くしてな!」
Aちゃん、仕事できる人?
って、隣に座って顔を覗き込んでくる。
「なになになに、近いんだけど」
「あいかわらず赤ちゃんみたいな顔してるな」
「そんなの言われたことないです」
「え?嘘!絶対嘘!」
「なんなの?ほんとに」
「仲良くなりたいんやって!」
こういう時に限って優太いないし、
(どうせジンに貼りついてる)
なんか、この人苦手だって思いながらも、
しょうがないから無視する。
「んじゃ、俺自分の職場戻るな!あ、あとこれ」
無理やり、私の手に握らされたのは、
キツめの香水の匂いが染み込んでる名刺。
ふーん、まあまあ、できる男なのか。
そこには、有名なホテルの名前が書かれてて、
ああ、あそこには大きいチャペルがあったっけ。
肩書きも、ウェディングプランナーで、私と同じ。
「あれ、なんか書いてる」
裏には、男らしい走り書いたような字で、
“ こっちは仕事用だから、
こっちに連絡して。待っとる ”
っていう言葉と、090から始まる電話番号が書かれている。
いや、なんで?
まあ、いいやと思ってポケットにそれを押し込んで、
デスクに戻る。
「A、早く着きそうって言ってたから早めに飯行こうな」
「おっけ」
「あと、ここ確認しときたいんだけど」
気がついたら優太がいなくて、
あれ、ジンのとこにもいないのか。
そんなことに気を取られつつもジンの話に耳を傾けて、
一緒に社食に向かう。
「なんか、Aいつもと違う匂いがすんだけど?」
「え?ほんと?」
「うん、男物の香水の匂い。それ、えーと、なんだっけな」
近くにいたから、匂いが移ったとしか思えない。
確かに、あの男、香水キツかったから。
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涼杜兄妹(プロフ) - 岸くんの小説初読みがとても素晴らしい作品で、2人だけの結婚式のところめっちゃ泣きました。今後平野くんでどうなるのか楽しみです!応援しています! (2019年4月26日 23時) (レス) id: 400e48a6ce (このIDを非表示/違反報告)
しゅしゅ(プロフ) - はじめまして。読んでいると自分がこの作品の中に入り込んでいくようなもので、岸さんの設定もあり、何度か涙してしまう部分がありました。平野さんとの本編がとても楽しみです。ひとつのドラマのように見れたこの作品がとても好きです。 (2019年4月6日 5時) (レス) id: e8afa57bf5 (このIDを非表示/違反報告)
S(プロフ) - 初めまして。楽しく読ませていただきました。本編があるなんて楽しみです。 (2019年4月1日 2時) (レス) id: 123949a422 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - めっちゃめっちゃ本編楽しみです!私は岸くんが一番すきなので、岸くんの話を読めてホントに良かったです!更新頑張って下さい♪心から応援してます!!! (2019年3月31日 23時) (レス) id: 36d39b543c (このIDを非表示/違反報告)
光彩 - 初めまして。岸くん押しなので気になり読ませていただきました。すごく面白かったです。岸くんが消えてしまってさみしいですが、彼の願い通りヒロインと紫耀くんが幸せになれたら嬉しいです。本編も楽しみにしています。 (2019年3月30日 20時) (レス) id: 44ed791076 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ベリナ | 作成日時:2019年3月4日 18時