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「A!A!」
懐かしい夢を見た。
いつのまにか泣いていたみたいで、
目を覚ますと優太が心配そうな顔で私の名前を呼んでいる。
「.....優太?」
「うなされてたから...起こした」
「優太の夢、みてた」
「うん、俺が、見せた」
微妙な時間すぎて、二度寝しようか迷ったけど、
なんとなく目が冴えていたから、
早いけど体を起こした。
「A、つらい?」
「え?」
「俺のこと、忘れらんなくて、つらい?」
優太はいつもそうだ。
自分はなんも悪くないのに、
優しすぎて、周りの顔色をすごい見てて。
いっぱい謝って申し訳なさそうな顔して、
そんな優太の顔を見るたんびに、
優太は悪くないのになあっていっつも思ってた。
でもよく考えたらその顔をよくさせてたのは私で。
現に今もさせてて。
「つらいけど、優太のせいじゃないから」
って、弱っちい声で言うことしかできない。
「......俺に関する記憶さ......Aが望んだら、消せるよ」
「え?」
「え?聞こえなかった?」
「聞こえた」
「じゃあ え?とか言うなよ!」
「意味がわかんない」
いや、さ、
Aが思ったより重症だからさ、
記憶消去って手段も特別に許可できるよって、
管理人が。
って、バツが悪そうに目を逸らして言うから、
頭の理解が追いつかないのと優太の態度が気に食わなくて、
ちょっと怒った。
「やだよ、そんなの」
「俺も、やだけど」
「じゃあなんでそんな事言うの」
「だってさ!!お前俺のこと好きすぎんだもん!!」
「は?!自意識過剰だから!」
「事実だろ?!」
「うるさい!」
お前が幸せになってくれないと、
俺の魂、生まれ変わる前に消えちまうよ〜〜
って、大事なことポロって言うから、
「はあ?!なにそれ!!」
って思わず叫んだ。
「あ!や!!いいんだよ?!俺は別に生まれ変われなくても!!でも、魂消滅しちゃったら見守ることすらできねーからさ、心配で心配で!」
「よくないよ!優太の魂まで消えちゃうとか、やだ!」
「だったらお前は次の恋に進め」
「.....それとこれとは話が違うもん」
「なんも違わないからね?!」
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涼杜兄妹(プロフ) - 岸くんの小説初読みがとても素晴らしい作品で、2人だけの結婚式のところめっちゃ泣きました。今後平野くんでどうなるのか楽しみです!応援しています! (2019年4月26日 23時) (レス) id: 400e48a6ce (このIDを非表示/違反報告)
しゅしゅ(プロフ) - はじめまして。読んでいると自分がこの作品の中に入り込んでいくようなもので、岸さんの設定もあり、何度か涙してしまう部分がありました。平野さんとの本編がとても楽しみです。ひとつのドラマのように見れたこの作品がとても好きです。 (2019年4月6日 5時) (レス) id: e8afa57bf5 (このIDを非表示/違反報告)
S(プロフ) - 初めまして。楽しく読ませていただきました。本編があるなんて楽しみです。 (2019年4月1日 2時) (レス) id: 123949a422 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - めっちゃめっちゃ本編楽しみです!私は岸くんが一番すきなので、岸くんの話を読めてホントに良かったです!更新頑張って下さい♪心から応援してます!!! (2019年3月31日 23時) (レス) id: 36d39b543c (このIDを非表示/違反報告)
光彩 - 初めまして。岸くん押しなので気になり読ませていただきました。すごく面白かったです。岸くんが消えてしまってさみしいですが、彼の願い通りヒロインと紫耀くんが幸せになれたら嬉しいです。本編も楽しみにしています。 (2019年3月30日 20時) (レス) id: 44ed791076 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ベリナ | 作成日時:2019年3月4日 18時