初恋のあなた。【センラ】 (ページ6)

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ろくページ6

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　卒業してから、小中一緒の友達が教えてくれた、

　昔、センラが私のことを好きだったって。…今更だよ。知っても仕方ない。

　高校に入って、最寄り駅も違って、センラにも紫苑にも会わない３年間。

　地元のスーパーとかに行っても、一度も会わなかった。

　紫苑は家がわりと近いから会うことも覚悟してたのに。

　…忘れろってことなんだろうな、なんて。

　大学に入って、初めての秋。少し肌寒い日。

　もう、２人がどこに進学したかも知らず、駅から自転車に乗って帰る途中。

　見覚えのある髪色が乗った自転車とすれ違った。

　３年間会ってもない、自転車でちょっとすれ違っただけ。ほんの一瞬。

　なのに、私の頭はセンラだと警鐘を鳴らす。

　…どうして、忘れかけてたのに、頑張って忘れようとしたのに、思い出させるの？

　「ねえ、やめてよ。」

　思わず、振り返った私の目に入ったのは、あなたと同じ髪色の後頭部。

　…顔、ほとんど変わってないね。

　すぐにわかっちゃったよ。

　紫苑とは、まだ付き合ってるの？

　…振り向かないでね。

　自分は振り向いたくせに、あなたには振り向いてほしくないの。

　もし、振り向かれたとしたら、私はきっと目をそらせないから。