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卒業式が終わって、在校生に見送られて、門の前で友達と写真を撮ったり、卒アルにメッセージを書いてもらったり、部活の後輩と写真を撮ったり、案外卒業生は忙しい。
一通り、仲の良い友達と写真も撮り終わって、ちょっと端っこに避難。
もう、この制服着ることもないんだなって思うとちょっと寂しい気もする。
なんて、ボケっと考えてた私の傍に来たのは同じく休憩しに来たのかちょっと疲れた顔のセンラ。
…こんなに近くにいるのいつぶりだろう。下手したら小学校以来かもしれない。
「…、」
「…。」
同級生の声が、周りでたくさんしてるのに、なぜかここだけ少し静かなの。
「、っ…。」
「センラー。…あ、A!後で一緒に写真撮ろ!」
「…うん。」
…私は今、何を口走ろうとしたんだろう。卒業式の日に、何をあなたに言おうとしたんだろう。
紫苑が来なければ、ただでさえ崩れかけていた私たちの関係は確実に崩れていたと思う。
紫苑に連れられて、輪の中に戻っていくセンラを一人見送る。
…返事しちゃったし、後で紫苑とも写真撮らないとな。
「卒業式なのに、顔暗いよ?」
「…気のせいだよ。それか、卒業が悲しいの。」
「卒業式全く泣かずにケロッとしてたの誰だっけ。」
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作者名:蒼 | 作成日時:2020年2月3日 1時