あの日の回廊(6) ページ34
__さっきの冒頭に戻る。
私は、未だに質疑応答を繰り返している。
本当に、私のこの頭の悪さはなんなんだろうか。年下に説明してもらってわからないとか、死にたい。
「だから……花瓶っていうのは……」
「あぁ〜もう二人とも!その話はおしまい‼︎」
現在三回目の同じような説明にも相変わらず脳内にクエスチョンマークが飛び交う私と、額に汗を浮かべて必死なイヴとの会話を遮ったのは、ギャリーの一声だった。
「A、もう理解しなくてもいいから……ゆっくりもしてられないのよ?いつまた何が襲ってくるかわからないんだし……とにかく、ここを出なくちゃ」
「もう……諦めたように言わないでよ……結構気にしてるんだから……まぁ、そうね。行こうかそろそろ」
イヴが呆れたようにため息をつく。その度に私の心はズタズタに引き裂かれそうだ。
イヴは無言でこっちをチラリと見る。
どうやら、理解力のなさをめちゃくちゃ甘く見られているようだ。
私はそんな彼女を見ないフリをして立ち上がるとぐっと伸びをした。
こうなったら男爵家の礼儀だとかマナーとか無視だ。いや元々この世界に入ってからそんなことは眼中にも無かったが。
続いてギャリーさんも立ち上がる。
「それじゃあ行きましょうか、二人とも……ん?どうかしたのイヴ?」
「……うわぁ、ギャリー、背、大っきいね」
イヴはビックリした顔で天井に付きそうな頭を見上げた。
そう言えば、イヴはギャリーが立っている姿を見るのは初めてなのかもしれない。
私はさっき一度見たが、なんだかその時が異様に懐かしく思え……。
いや、でもイヴが驚くのも頷けるほど、ギャリーは高い。隣に並んだイヴが小柄なのが余計に引き立たせているのかもしれない。
イヴの頭が、ギャリーの下腹くらいにあるくらいだ。
「まぁ、あなたたちからしたら大きいかもしれないわね、それより早く行きましょ」
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大気(プロフ) - ネコノハさん» 続きが気になる……!嬉しい限りのお言葉ですァァァァァァァァァァ!!これからも頑張ります!ありがとうございます!! (2014年6月18日 15時) (レス) id: 077743fc46 (このIDを非表示/違反報告)
ネコノハ - すごいです。続きがきになります!これからもがんばってください (2014年6月17日 22時) (レス) id: 5a54903797 (このIDを非表示/違反報告)
大気(プロフ) - 結葵さん» きゃあああああ面白いとかありがとうございます……!主人公そっくりですか!見たいwwww生半可なものですが、来れからも是非……!ありがとうございますホント!!! (2014年6月12日 18時) (レス) id: 077743fc46 (このIDを非表示/違反報告)
結葵(プロフ) - ヤバいです面白いwww更新頑張ってくださいねー!主人公があたしの性格そっくり過ぎて……!!! (2014年6月11日 11時) (レス) id: 80157bfc1a (このIDを非表示/違反報告)
大気(プロフ) - モブキャラCさん» ありがとうございます〜!あ、一緒っすねwwwまぁ、続編とか言ってもダラダラ長いし全く話が進まないのにメモの容量だけ食われるというね! (2014年6月7日 20時) (レス) id: 077743fc46 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:大気 | 作成日時:2014年6月5日 10時