序章�� ページ5
大人はいつでもそうだ。
このメンバーで何かを話す時、必ずジャンル「思い出」というものが存在する
それは些細な一言から発展し、「これ前も聞いただろ」というネタを延々繰り返すのだ。
大人はそれで普段の三倍は楽しそうに見えて、三倍若返る。それと同時に「もうそんなに過ぎたのか」と、寂しそうな笑みを浮かべて、また一つ老け込む。
しかし、そんなこと聞いているだけの子供にとっては本当にどうでもいいどころか、親という立場を利用して大昔の痴態まで掘り返されるのだから正直迷惑も良いところなのだ。
それを伝えると「大人になったらわかるよ」と言われるだけで、結局そこは謎のままなのだ。
しかし、今回の「思い出話」はそう長く続かなかったようだ。
まぁそりゃ一人は運転中だし、第一「話す側」はうちの両親でおばさんとおじさんが共有できるものはほぼ無い。
俺はあんまり印象に残っている出来事も思い当たらないし、下手に口を出して逆に何か恥ずかしいことを思い出されても困るので再び窓の方を向く。
結局今回は広がらず、「いっぱい思い出できたらいいね〜」というおばさんの声で、その話題は人知れずどこかへ飛んでいった。
「ねぇ、おじさん。今から行くキャンプ場ってどこにあるの？」
今度は時久が顔を出す。
おじさんはバックミラーで後方をチラッと確認しながら「ん」と呟くと、「この山の上にある川の側だ。釣りもできるって書いてあったよ」と答えた。
その言葉に時久が頷く前に父さんが「釣り!?」と叫ぶ。
一同が引き気味に父さんに注目するが、父さんはお構いなしで「いやぁ〜釣りかぁ〜！ 念のために道具持ってきて良かったぁ〜！ よし、絶対やろうな！ な、拓海！」
父さんは見た目によらずアウトドアが大好きだ。
中でも釣りは超が付くほどで、俺も小さい頃からよく近所の川や海に連れられては付き合っていた。
俺の名前に「海」が付くのもそのため。
だがあいにく俺はインドア派なので、休日は家でテレビゲームをすることが多いから「海を拓け！」なんて言われても困る。
しかし、山か。
川の上流か中流……まぁ、水が綺麗ならばニジマスやアユくらいは釣れて欲しいものだが……。
と、そこまで考えたところで俺はある重大な事を忘れていることに気が付く。
そして、その事実はみるみるうちに目の前に迫り、顔が一瞬で真っ青になったのがわかった。
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槊鵺(プロフ) - とっても素敵な小説ですね！こんな作品が占ツクに広まってほしいものです。是非参考にさせていただきたいとても良い作品だと思います！お忙しいとは思いますが更新頑張ってください！ (2014年11月20日 17時) (携帯から) (
レス) id: 14b4575316 (このIDを非表示/違反報告)
大気(プロフ) - 桜狼さん» ありがとうございますまじですか！！！！？ まじですか！？ あ、これしばらく捨ててたんですけど今から頑張ります！！ます (2014年9月29日 19時) (レス) id: 077743fc46 (このIDを非表示/違反報告)
桜狼 - 初めまして。初めてこの小説を読みました!!凄い面白いです!!更新楽しみにしています!頑張ってください! (2014年9月29日 10時) (レス) id: 2d5d273768 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：大気 | 作成日時：2014年8月7日 17時
