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『みーつけたっ!』


弾む声と共に、視界が暗くなる。
小さくて女性らしい手。
すぐ後ろに立たれているため
石鹸のような匂いが漂ってきて心臓が鳴り止まない。






…おいおい、なんなんだよ。勘弁してくれェ…。







「…なんだァ」

必死に平然を装う。
俺の顔、赤くねェだろうなァ…?







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『やーっと会えた!もう、全然見かけなくて!』

視界が明るくなったかと思えば
ひょこっと後ろから覗き込まれる。
あまりの顔の近さに、一瞬息が止まりそうになった。






「…忙しかったんだァ」


『あらそうなの〜。ね、ここいい?』





俺の返事を待たずして向かい側に腰掛けるそいつ。
…だったら聞くなァ。
ったく、警戒心のねェ女だ。









.









.








『ねぇ!この前と話が違うじゃない!』


「うるせェな。女に払わせるわけねェだろォが。」





今日は私が払う約束よね!と言う女から
伝票を奪い取り勘定を済ませて外へ出る。
なにやら後ろから文句を言われるが
この前と同じ
「恥をかかせんなァ」でこの話は終わり。







『もうっ…強引な人ね。…ありがとう。』


そう言われ、なんだか気恥ずかしくなって
あァ、とぶっきらぼうに言うことしか出来ない。





『…また、会えたら嬉しいわ。』


そいつはそう言い
じゃあね、と俺に背を向けようとする。







「…!、なァ」






反射的に呼び止めていた。






『ん?なぁに?』

夕陽に照らされた顔がこちらを向く。
ただでさえ整った顔にそれは相乗効果でしかなく
思わず見惚れてしまい、目を逸らしたいのに逸らせない。



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美穂(プロフ) - 大号泣させてもらいました‼︎素敵なお話ありがとうございました (2022年8月23日 10時) (レス) @page34 id: c0f42fdb83 (このIDを非表示/違反報告)
月見おはぎ - 涙腺崩壊し過ぎて、半天狗みたいになりました...実弥の儚いイメージにドンピシャリな作品、いえ神作です!!ごちそうさまでした(!?) (2021年8月24日 0時) (レス) id: f413eaa44e (このIDを非表示/違反報告)
紫苑(プロフ) - 唯梨さん» 私なんかが仲良くさせていただいてもよいのですか…!(汗)余りにも恐縮なのでまずは唯梨さまの下部というところから始めさせてくださいっ…!(?)何でもします…!! (2021年5月9日 9時) (レス) id: 915990a0ec (このIDを非表示/違反報告)
りり(プロフ) - 師匠……圧巻すぎて、言葉にできない(°_°)ひと夏の強烈な恋が、これからも実弥には残り続けるのでしょうかね。。。ひとつひとつの描写が本当に美しくて印象的だった!書いてくれてありがとう!!! (2021年5月8日 19時) (レス) id: 85bd249cc8 (このIDを非表示/違反報告)
唯梨(プロフ) - 上杉霞音**低浮上さん» かのんちゃん!ありがとうねーっ!!まさかだよね!?私といえばハピエンだから略奪してでも困難を乗り越えてでも結ばれると思ったよね!?笑。いつもとは違うオチで書いてみたかったのよ…! (2021年5月8日 19時) (レス) id: 10a0ab61a8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:唯梨 | 作成日時:2021年5月3日 21時

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