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【your side】
「はいAさん、できた」
『おお〜』
帰り道で寄った百均で買ってきた色紙に、問のサインが刻まれる。Aさんへ、と名前まで書いて、問はペンを置いた。
「言ってくれたらいつでも書いたのに」
『だって……サインなんかなくてもいつでも問に会えるんだから、いいかなって』
特に何も考えずに言うと、少し間を置いてえ、と戸惑いの声が上がった。
「……もうAさん、そういうこと言うのやめてよほんとに」
『……え？』
そんな変なこと言った？ と訊き返すと、じゃあ僕この色紙なんのために書いたの、と拗ねたような声が返ってくる。うーん、と思わず考え込んでしまった。……え、だって。好きな人のサインなんて、あるんだったら普通に欲しいものじゃないか。
『えー……じゃあ。……夢じゃないって思うため、かな』
「『じゃあ』って何」
不服そうな顔をしながらもどういうこと、と首を傾げる問。
『なんか……abc終わってから、ずっと夢みたいなことしか起こってないからさ』
だから、問が彼氏だっていう証明みたいなものかな。考えながら言葉を紡ぐ。もうあの大会から1ヶ月以上は経っているけれど、いまだに問が隣にいることがなんとなく信じられないような気持ちに落ち入るのだ。……それはまあ、高頻度では起こらないであろうこの不思議な出会い方のせいなのだろうけど。だってクイズ大会で出会いました、だけならともかく、学生生活懸けてた大会で負けました、だもんな。
「……そっかぁ」
まあ、確かに特殊な出会いではあるよね、と問が呟く。色紙に記された彼の筆跡を見ながら、それを指でなぞった。他のファンの人にも同じように書かれているであろう、彼のサイン。その下に、もうこの短期間で何度呼ばれたかわからない、私の名前。
『……でも、なんか、あれだね。寂しく、ないかも』
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鳩麦こおり(プロフ) - 犬子さん» そう言っていただけて嬉しいです...！ ありがとうございます🥰 Wデートの更新はだいぶ時間がかかると思うんですが、気長にお待ちいただければ幸いです🙇♀️ (2月18日 10時) (
レス) id: 5ea5a9dd22 (このIDを非表示/違反報告)
犬子(プロフ) - 初めまして。年上彼女×mnの組み合わせと主様の表現力に終始ﾆﾔﾆﾔしつつ読ませていただいています！gnちゃんもかわいい…Wデート、拝見できると嬉しいです…。大変尊かったので思わず感想をお送りしましたm(__)m (2月16日 1時) (レス) @page13 id: 7ba156e249 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鳩麦こおり | 作成日時：2024年2月4日 13時
