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【your side】
『松��くん、凄かったね』
「ね〜、敗者復活からは初の優勝だって」
『1年生で優勝なんて、この先もっと強くなるんだろうね』
『……そういえば、言は今年もセコンドだったね』
「決勝残った人と仲良かったみたい」
『そうなんだぁ』
……会話が途切れた。
去年、問は言と一緒に帰ったらしい。……が、うちに誘ったらあっさり言の手を離してこっちに来てくれてしまった。言には悪いが、……彼女特権、といったところか。1年経ってもまだその距離感には慣れないときがある。参加資格を失って初めて迎えたabcに、問と出会って1年という事実を突如として突きつけられて、私は面食らってしまった。……時間が経つのが早すぎる。
『……もう1年、かぁ』
「そうだね」
何気なく呟いた声に、問が相槌を打った。
「……短かったな」
3月とはいえ夜は冷える。問の口から零れた低い声が、冷たい空気に溶けていった。ちらりと隣を見れば、空を見上げる彼の姿が目に映る。その物憂げな瞳を、私はしばらく見つめていた。
『……問』
名前を呼べば、なに？ とその瞳がこちらを向く。そのまっすぐさは出会った頃とまるで変わらない。
『……楽しかった？』
それがたとえ、人生最後のクイズ大会に敗れたあとであっても。
「……うん！」
きらりと光ったのは、いつもの彼特有の瞳の輝きか、それとも涙に潤んでいるせいか。夜の闇の中に、彼の笑顔が映える。
「……まあ、負けちゃったし。たぶん、みんなの期待には応えられなかったけど」
でも、楽しかった、と問は笑った。笑い皺が両目尻に寄る。……いつもと何ら変わりない、屈託のない笑顔。
「僕は僕のためにクイズをして、ちゃんと終われたから」
強いなぁ、と思う。私なんて未練タラタラだったよ。1週間以上引きずって、今でもまだ後悔している。あのときボタンを押せば勝てていたかもしれないのに、なんて。今思っても仕方のないこと、だけど──。
問が下を向いた。
ふ、とその目から涙が零れたのを、私は見逃さなかった。
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鳩麦こおり(プロフ) - 犬子さん» そう言っていただけて嬉しいです...！ ありがとうございます🥰 Wデートの更新はだいぶ時間がかかると思うんですが、気長にお待ちいただければ幸いです🙇♀️ (2月18日 10時) (
レス) id: 5ea5a9dd22 (このIDを非表示/違反報告)
犬子(プロフ) - 初めまして。年上彼女×mnの組み合わせと主様の表現力に終始ﾆﾔﾆﾔしつつ読ませていただいています！gnちゃんもかわいい…Wデート、拝見できると嬉しいです…。大変尊かったので思わず感想をお送りしましたm(__)m (2月16日 1時) (レス) @page13 id: 7ba156e249 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：鳩麦こおり | 作成日時：2024年2月4日 13時
