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香雲千鶴といふもの ページ3







はーい、入れー。

おまえ、確か留学考えてんだよな。

んーと、
『現世物理教員になる為の教育実習』
・・・おまえ、現世行くのか!?

いや、おまえのやりたいことを
否定するわけじゃねぇんだけど、早目に
言ってくんなきゃ通行手形
貰いづらいんだよ!

ちょっと待ってろ、今連絡とるから。


・・・よし、今申請してるから茶でも飲んで
待ってるか。
なに遠慮してんだよ、ほら座れって。

ん?これか?そう玉露。流石留学するだけ
あって勉強してんな。

因みに日本円で5万円以上したらしい。

なに、遠慮すんなって。
これ貰いもんなんだから。

んな下世話なこと聞くなよ。
彼女じゃねーよ、当時の仲間だっての。


香雲千鶴(コウウンチヅル)って言う
煙々羅(エンエンラ)
・・・俺の初めての生徒だ。

俺が団に入ってからそんな経たないとき
くらいにアイツがお願いしてきた。

「どうか私に歴史を教えて頂けませんか?」
ってな。

確かに俺が昔交通手形とった理由が歴史を
学ぶって奴だったんだが、それと同時に
教員になりたいと思っていた。

ただ、俺は教えられるほどの器量を
持ち合わせていないと思っていたから
俺は一度断った。

そしたら来る日も来る日もお願いしてくる
もんだから俺は生まれて初めて
先生をすることになったんだ。



教えるのはいいんだが
すぐ覚えちまうんだよアイツ。

それ見て最初俺はすぐ忘れるタイプかと
思ってたんだよ。お前の周りにも
いっぱいいんだろ、テストの時だけ
出来るやつ。

ところがそいつは違った。一度聞いたことは
ずっと覚えているもんだから
手ごたえがなくて返って不安になったなぁ。


あー、関係ないがそういやアイツは
いじられやすかったなぁ。

公演衣装が白い着物だったから
雪女と言う奴が結構いてな。
あ、もちろんネタだけどな。

俺!?俺はやってねぇよ!
生徒相手に出来ねぇよ!


アイツか?まだ団にいるとは思うが近々茶を
渡しに来るとか言ってたからそろそろ
里帰りすんじゃねぇか?


おっ、申請が通ったみたいだ。
張り切ってやり切れよ!

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作者名:86(ハチロク) | 作成日時:2019年6月1日 14時

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