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第五十九話 ページ9

自分の負担が減るのはいいが、これからの計画に支障がないのかが桜哉にとっての気がかりだった。

あまり変なことはするなよ……、とAに心の中で念じると桜哉も静かに部屋を後にした。







________________________ ___ _ _



はあ、と城田真昼は小さな溜息をつきながら、太陽も傾き、暗く影の差してきた町を歩いていた。
そしてその少し前を主人に肩車される状態で移動する傲慢の真祖、ヒュー・ザ・ダーク・アルジャーノン三世…通称ヒューと呼ばれる人物に声をかけた。

「おい、ヒュー。本当にその情報は確かなんだろうな?」

「む、我が輩の下位吸血鬼を疑うのか?」

「いや、そういう訳じゃないけど……。“怪しい奴”なんて漠然とした情報だけじゃ何とも言えないだろう?」

そう言いつつ真昼は小さく溜息をつき肩を落とした。
現在向かっているのはとあるカラオケチェーン店だ。その店舗には傲慢の下位吸血鬼がアルバイトとして働いているらしい。そのアルバイト店員からの情報でよく“怪しい人物”がやって来るというのだ。
そんな情報だけではどうにも動く気にはなれないが、それ以外に寄せられた情報などなく仕方なくといった形で真昼達はそのカラオケ店へと足を運んでいる。
徒歩でここまでやって来た一同は道中、体力の無い(無さすぎると言ってはいけない)御園は何度か立ち止まりそれに付き合い休憩を……としている間にあっという間に夕暮れ時である。

あまり大した距離は歩いてないのだが心因的なものによる疲れがとても大きく真昼にのしかかっていた。
疲れのせいか、こんな思いまでしてそのカラオケ店へと行く意味があるのかとマイナスな方へと考えがいってしまう。そんな思考をブンブンと左右に頭を軽く振り払うと気持ちを切り替え、また一歩踏み出した。


「……お、着いたようじゃのぅ。ここじゃ!」

ヒューのそんな跳ね上がる声に釣られ、視線をあげてみれば「カラオケ」「24時間営業中!」という何とも在り来りな文字が真昼達を出迎えた。一同はそこで足を止めるとそのビルを見上げる。見た目は見慣れたカラオケ店と変わるところもない一般的な外観だ。

「お?なんだ着いたのか…?」

今まで真昼の方に猫の姿で肩に乗っていた怠惰の真祖であるクロは、のっそりと閉じていた目を開き呟いた。

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サキ(プロフ) - こちらの小説ってもう更新されないんですか? (2018年5月3日 13時) (レス) id: 21861887f2 (このIDを非表示/違反報告)
日和 - はい!私生活に余裕が出て、暇があったらぜひ更新してください! (2016年8月20日 22時) (レス) id: 40ecd8018d (このIDを非表示/違反報告)
はちくま(プロフ) - いなさん» コメントありがとうこざいます、ちょっと今私生活がバタバタしておりますのでもう少々お待ちいただけると幸いです、すみません……コメントいただけて嬉しいです、頑張りますね! (2016年8月3日 7時) (レス) id: 5e438ae83b (このIDを非表示/違反報告)
はちくま(プロフ) - 日和さん» コメントありがとうございます。楽しんでいただけて何よりです。ちょっと今私生活がバタバタしておりますのでもう少々お待ちいただけると幸いです、すみません…… (2016年8月3日 7時) (レス) id: 5e438ae83b (このIDを非表示/違反報告)
いな - ずっと待ってます!更新頑張ってください!!応援しています!続きが楽しみです! (2016年8月2日 23時) (レス) id: 1536a576c8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はちくま | 作成日時:2015年5月21日 5時

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