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第八十三話 ページ33

メールならば電子機器に不慣れなAであっても一度文面を確認してから送ることも出来て、咄嗟のことに慌てる必要もない。
相手も都合に合わせて読む事も可能となるためそれが最良だと判断したのだ。


何より、真昼の方はAの連絡先を知らないのだ。警戒されてしまう事態は避けたい。
返事をもらえなかった時のことはまた考えようと思い、ラウンジの窓際に近い席に腰掛けると先日桜哉に習ったばかりのやり方で新規のメールを作成した。



文面は簡潔に。

突然の連絡で驚かせてしまい申し訳ないこと、
クロの主人である真昼にお願いしたいことがある、
出来のであれば真昼と二人で話がしたいこと。

要点をこの三点に絞り、内容をまとめた。


こうじゃない、ああでもないと打ち込んでは消しての繰り返しで思うようには中々いかず、四苦八苦しながらも何とか相手にも伝わる文面になった頃には四半刻ほどの時間が経過していた。
もう一度内容を見返し、誤字脱字や失礼のない事を見直すと「よし」と一言漏らし気を引き締めると送信のボタンにそっと触れる。
無事にメールが送信された事を確認すると、Aはほっと胸を撫で下ろした。

気が抜けたのが、全身の力が抜けたように椅子の背もたれに身を預ける。
そのまま天井を見上げ瞳を閉じ、一息深いため息をついてみれば今更ながら眠気がこみ上げてくる。
思い返してみてみれば、今日一日はとても長く感じられた。
予想外の出来事に自分の想像以上に疲れていたのかもしれない。


真昼からの返事が来るまで、せめてシャワーを浴びるまでは眠るわけには……
というAの思いも虚しく、静かにそして緩やかにAの意識は遠のいていく。


そのさなか、クロの姿が浮かんだ。

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サキ(プロフ) - こちらの小説ってもう更新されないんですか? (2018年5月3日 13時) (レス) id: 21861887f2 (このIDを非表示/違反報告)
日和 - はい!私生活に余裕が出て、暇があったらぜひ更新してください! (2016年8月20日 22時) (レス) id: 40ecd8018d (このIDを非表示/違反報告)
はちくま(プロフ) - いなさん» コメントありがとうこざいます、ちょっと今私生活がバタバタしておりますのでもう少々お待ちいただけると幸いです、すみません……コメントいただけて嬉しいです、頑張りますね! (2016年8月3日 7時) (レス) id: 5e438ae83b (このIDを非表示/違反報告)
はちくま(プロフ) - 日和さん» コメントありがとうございます。楽しんでいただけて何よりです。ちょっと今私生活がバタバタしておりますのでもう少々お待ちいただけると幸いです、すみません…… (2016年8月3日 7時) (レス) id: 5e438ae83b (このIDを非表示/違反報告)
いな - ずっと待ってます!更新頑張ってください!!応援しています!続きが楽しみです! (2016年8月2日 23時) (レス) id: 1536a576c8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はちくま | 作成日時:2015年5月21日 5時

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