第七十九話 ページ29
久しぶりに会った彼女に対してあんな言葉を吐いてしまったのは失態だった。
Aに言ってはいけない事だとは分かっていた。
ただの八つ当たりだったが、それにしてはあまりに重すぎる言葉を投げてしまったのだと今更ながらに後悔する。
暗い夜道。整備されたアスファルトの固さが靴の裏から伝わる。
街灯は淡い光を放ちクロを照らしていたが、その光から逃げるように路地へ、路地へと入り込んでいく。
あれからもう何十年、何百年もの年月が過ぎ去り
その間に色々な事があり自分も、彼女も変わってしまった。
彼女の事は忘れようと、もう考えないようにしようと決めていた。
そう思っていたのとは裏腹に自分の中に今もまだ残っている未練と後悔、そして捨てたはずのものがもう一つ。
ふとした時に蘇る感情を、いつも見て見ぬ振りをしてきた。
もう終わったものだと、そう考えて忘れようとしてきたが再び彼女に再会した途端
抑えてきた感情は膨れ上がりクロの胸を押しつぶそうとしていた。
クロは路地裏のアパートを囲ったコンクリートの壁に右肩を預け、力無くもたれかかる。
そして目を閉じると小さく呟いた。
「A、どうして今更……。」
もうやめたはずだった、彼女に恋をするのは
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サキ(プロフ) - こちらの小説ってもう更新されないんですか? (2018年5月3日 13時) (レス) id: 21861887f2 (このIDを非表示/違反報告)
日和 - はい!私生活に余裕が出て、暇があったらぜひ更新してください! (2016年8月20日 22時) (レス) id: 40ecd8018d (このIDを非表示/違反報告)
はちくま(プロフ) - いなさん» コメントありがとうこざいます、ちょっと今私生活がバタバタしておりますのでもう少々お待ちいただけると幸いです、すみません……コメントいただけて嬉しいです、頑張りますね! (2016年8月3日 7時) (レス) id: 5e438ae83b (このIDを非表示/違反報告)
はちくま(プロフ) - 日和さん» コメントありがとうございます。楽しんでいただけて何よりです。ちょっと今私生活がバタバタしておりますのでもう少々お待ちいただけると幸いです、すみません…… (2016年8月3日 7時) (レス) id: 5e438ae83b (このIDを非表示/違反報告)
いな - ずっと待ってます!更新頑張ってください!!応援しています!続きが楽しみです! (2016年8月2日 23時) (レス) id: 1536a576c8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はちくま | 作成日時:2015年5月21日 5時