第17話 特殊部隊隊長アスル ページ18
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『警報。侵入者を発見。繰り返す、侵入者を発見。場所は――』
「……」
違和感はあった。
なんで「国なのに」ガードが薄いのだとか。
なんで「本拠地なのに」静かなのだとか。
なんで「この部屋だけタイル」なのだとか。
国なのに、国として機能しているのに、こんなにガードが薄いのは有り得ない。
きっとグラーヴ連邦以外の別の国に先に滅ぼされているだろう。
本拠地なのに、夜に兵が見回りをしていないのはおかしい。
戦争前でも戦争後でも、俺のような暗殺者の警戒を怠らないのが普通だろう。
この部屋だけ、タイル張りなのもおかしい。
というかこれよくあるトラップじゃん。あるでしょなんかダンジョン的なところであるでしょ。
王道トラップに引っかかってちゃ駄目じゃん。
おいおいこう考えて見ると違和感ありまくりじゃねぇかよおい…。
俺ちゃん何してんだめんどくさいぞこれはぁ…。
兵が走ってこの部屋に向かってくる気がする。
足音的に…五人か?とりあえずは取り押さえて増援は後からか?
なら良いや。
「おっさん、じっくり殺りたかったけど無理だわすまんな」
警報が鳴っているというのに未だに起きないおっさんの心臓を狙って。
銃を撃った。
血が手にかかる。うえぇなんか拭くものない?うんないよね服に拭こ。
これでお仕事はとりあえず完了したわけだけど…ここから出るのめんどっくさいな!?
自首してそこから抜け出そうかな!?あ駄目だ無理死ぬわ逃げよう。
窓をガラッ、と開ける。
後ろの扉が開き、必死の形相の兵士さんが見えたのはほぼ同時だった。
「待て!」
「やだね」
俺はじゃーまたねーと手を振って。
窓から飛び降りた。
ここは三階。
飛び降りたらまず命はない。
心なしか、最後に見た兵士の顔も笑っていた気がする。
「血迷ったか」「そこから降りて助かるわけがないだろう」と。
まあ確かに助からないね?
――普通の子なら。
俺は空中で異能力を発動し、地上に移動した。
これが俺の
障害物がない限り、何処へだって移動できる。
こういう時に役立つから異能力って便利だよね!
着地してふと頭上を見上げる。
呆気に取られた顔をしていた。
あ、その顔絶対俺ちゃん死んだと思ったな。
俺は今一度手を振って能力を発動。
障害物抜きで移動するのは流石に無理なので、ちまちま距離移動を繰り返した。
途中で後から来る予定だった子を見つけたので、そこからは能力を使わずに一緒に帰った。
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桜吹雪@低浮上(プロフ) - 更新しました! (2021年9月4日 14時) (レス) id: 52e526ba44 (このIDを非表示/違反報告)
桜吹雪@低浮上(プロフ) - すみません!書き直しますので更新します! (2021年9月4日 14時) (レス) id: 52e526ba44 (このIDを非表示/違反報告)
桜吹雪@自作小説低更新(プロフ) - 書くの忘れてました!すみません!更新しました! (2020年10月9日 18時) (レス) id: aafc5aee29 (このIDを非表示/違反報告)
桜吹雪@自作小説低更新(プロフ) - 更新します! (2020年10月6日 19時) (レス) id: c919c9fb7a (このIDを非表示/違反報告)
するふぁ@givehappiness(プロフ) - 更新しました (2020年3月3日 16時) (レス) id: 07edb2e3d3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:グラーヴ連邦同志一同 x他4人 | 作者ホームページ:http
作成日時:2020年1月8日 20時