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第14話 通信司令班 副班長 フィオナ ページ15

私の所属する班の班長が散らかした書類を片付けている途中、手をずっぱりと紙で切ってしまった。
怪我をしたら医務室へ!と耳にタコができるほど言われてしまっているうえに、今回はどう頑張っても『知らなかった』で済まない怪我なので、仕方なく医務室へと足を向けた。
医務室に向かう途中で、ふと腰に引っ提げていたインカムから音声を受信した。
本来ならインカムは耳や胸ポケット辺りに付けておくのが普通なのだろうが、私は能力の副産物である程度の距離からなら電子機器からの音を拾うことが出来るのだ。
イヤホンもヘッドホンも要らないため、案外重宝していたりする。
そして、その要領で音声を送ることも可能なのだ。
肝心のインカムからの音声は、書記長殿からで、会議室にこいとの事。
また誰かがやらかしたのか、と軽く呆れの溜息をつきつつ、招集がかかってしまったから仕方ないと内心安堵しつつ会議室へと向かった。
あまり遠い距離でなかったことが幸いし、会議室へは遅刻することなく到着できた。
扉を三回ノックして開けば、あまり人は揃っていなかった。
しかし班長は既に着いており、班長の隣に座りながら謝罪を述べた。

「……ルート班長、遅れてしまい申し訳御座いません。
本来ならもっと早く着くべきでしたのに……」

「気にしなくて大丈夫だよ〜。全く、相変わらず真面目だねぇ」

「……班長が少し不真面目すぎるのです」

ルート班長と軽く雑談をしていると、しばらく閉まっていた扉がガチャ、と開いた。
入ってきたのは外交官。
そう言えば外交に行っていたのだったか、後で労いでもしておくか。
そう考えていたら、また扉が開き今度は馴染みの軍医であるリオット軍医が入ってきた。
重そうな鞄を足元に置き敬礼をしているが、そのすぐ後でレヴィン外交官の肩に手を置いて何やら話しすぐに離れていった。
見た感じは和やかだったが、よくリオット軍医を見ている私はわかる。

(……またレヴィンさん、怪我隠してるんですね)

後にレヴィンに降りかかるであろう、軍医二人がかりのお説教と治療は恐ろしいだろうな、と他人事のように眺めながら乾いた笑みを吐いた。

第15話 書記長ソビィー→←第13話 軍医 リオット



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桜吹雪@低浮上(プロフ) - 更新しました! (2021年9月4日 14時) (レス) id: 52e526ba44 (このIDを非表示/違反報告)
桜吹雪@低浮上(プロフ) - すみません!書き直しますので更新します! (2021年9月4日 14時) (レス) id: 52e526ba44 (このIDを非表示/違反報告)
桜吹雪@自作小説低更新(プロフ) - 書くの忘れてました!すみません!更新しました! (2020年10月9日 18時) (レス) id: aafc5aee29 (このIDを非表示/違反報告)
桜吹雪@自作小説低更新(プロフ) - 更新します! (2020年10月6日 19時) (レス) id: c919c9fb7a (このIDを非表示/違反報告)
するふぁ@givehappiness(プロフ) - 更新しました (2020年3月3日 16時) (レス) id: 07edb2e3d3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:グラーヴ連邦同志一同 x他4人 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2020年1月8日 20時

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