教えあそばせ ページ7
え、え！？
あまりの驚きに一瞬脳内で言葉が整理されなかったが、すぐに「だって！」と声を上げる。
「だって、みんな前駆細胞として造血幹細胞さんのもとでつくり出されるんじゃないの？それじゃあまるで、」
「生みの親がいるんだな」
ぱくぱくと口を開け閉めしていると、4989さんは全てを理解できているのか、当たり前のような口ぶりでそういった。
「生みの…親？」
「その通りですわ。あたくしたちは造血幹細胞のもとで赤血球に振り分けられ、その後は他の細胞と同様に育成されてきましたけれど、生まれた時だけは他とは少し違かったのよ」
「へえぇ……そんな風にして生まれる細胞も、いたんだ……」
「べつにたいしたことじゃないわ。機械に代わって産み落とすだけだもの」
「どんな血球もみんな同じ前駆細胞だもの」
驚くばかりの私をよそに、ねー、と狐目の姉妹は笑う。
確かに、好中球が敵を倒しても死ななかったりするこの世界で、人間と同じ生殖機能も持って生まれてきているのだから、あり得ることではあるのかもしれない、けれど。
「知らなかったなぁぁぁ」
「あらあらまあまあ」
「うふふ、これで一つ勉強できたわね。新しい人生の形を歩む者として、これからはもっと色んなことを知っていかなければだめよ、A番」
「……うん。確かに、そうかも」
つぶやきながら、隣に立つ4989さんを見上げる。私の視線に気づいて「ん？」と笑みを浮かべる4989さんをじっと見つめ、私は口を開いた。
「なんか、まだまだ全然知らないことがいっぱいありそうなので、4989さん、教えてくださいね」
「もちろん」
「あらぁ。頼られていらっしゃるのね、白血球さん」
「ちゃんと全部、丁寧に、あくまでもA番を泣かさないように教えあそばせ」
「…？」
狐目の妹に意味ありげに言われ、私も4989さんも首をかしげる。
まあ今はいいわ、とりあえず歩きましょう？と言われ、私も荷物を抱え直して先を歩く二人に続いて歩き出した。
「その、二人の親御さんは誰なのかわかっているのか？」
4989さんが前を歩く姉妹に問うた。
ふふ、と金の髪を揺らして狐目の姉は笑う。
「知っているけれど。それを言うのは面白くないわ」
「面白くないわ。見つけてごらんよ、有名な人だわ。今も普通に働いてらっしゃるのよ」
狐目の妹も言って、姉妹は二人でまたくつくつと可笑しそうに笑った。
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まじかるれいん☆ - オザさん» ヘイ！気に入りました！即興ってところがすごい(°▽°) (2018年9月4日 21時) (
レス) id: 9a258b9a35 (このIDを非表示/違反報告)
まじかるれいん☆ - オザさん» ヘイ！気に入りました！即興ってところがすごい(°▽°) (2018年9月4日 21時) (レス) id: 9a258b9a35 (このIDを非表示/違反報告)
水無月(プロフ) - オザさん» アルミ缶にするわ← うん！よろしくね〜 (2018年9月3日 21時) (レス) id: 626aa5da43 (このIDを非表示/違反報告)
オザ(プロフ) - 水無月さん» ありがとう！手を怪我して赤血球さんが大変なことになるので握り潰すのならアルミ缶くらいにしておいてください…今作もよろしく！！ (2018年9月3日 20時) (レス) id: 5d539585d0 (このIDを非表示/違反報告)
水無月(プロフ) - 続編おめでとう！いや、今回も尊すぎて缶を握り潰しちゃいそう…w 更新頑張ってね！楽しみに待ってまーす！ (2018年9月3日 19時) (レス) id: 626aa5da43 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：オザ | 作成日時：2018年9月2日 17時
