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36 対面 ページ38

赤「え!?Aちゃんが!?」


しばらくして落ち着いた頃、先輩に事の経緯を全て話した。前の体のこと、そして、私自身のこと。先輩はやっぱり驚いてはいたけど、私への対応が変わることはなかった。


A「すみません、今まで騙していて」

赤「いいよいいよ!それ以上にAちゃんにはいつも迷惑かけちゃってたし…」


そう笑った彼女は、そのままお茶を一気に飲み干す。ぷはっと声を上げたかと思えば、私の方に向き直って手を握ってきた。


赤「Aちゃんはどうしたい?白血球さんとどうなりたい?」

A「どう、とは」

赤「多分、今まで通りの付き合いとか、難しいと思うんだ。私は同性だし、同じ細胞だし、Aちゃんのこと、誰より知ってると勝手に思ってるけど…」


彼女はそこで言葉を濁す。言う通りだ。私は彼と数日と数時間しか時間を共にしていない。このまま疎遠になっても、別に差し支えない距離感の男だ。

A「離れるならそれはそれで。支障はないと思います」

赤「ほんと?」

A「……ええ」


私の答えに、先輩はしばらく黙り込んでからそっかあと笑った。どこまで考えているのか読めないひとだ。
私が少しだけ俯いていると、見覚えのある白いブーツが視界の端から顔を出す。


A「……あ、えっーと」


46「久しいな」

赤「白血球さん!」


先輩は顔を明るくさせて立ち上がった。私も続けて挨拶をするために立ち上がる。帽子を脱いで頭を下げ、顔を上げた時、今度は私が息を飲んだ。


49「Aちゃん、ちょっといい?」






なんとしつこい男だろうか。

37 執拗→←35 白状



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まみむのめ(プロフ) - 結(むすび)さん» コメントありがとうございます!3年前の作品なのに楽しみにしてくださっていたというお言葉とても嬉しいです!頑張って完結させようと思っているので、是非気長にお付き合い下さい😊 (2月27日 3時) (レス) id: e8b27ecec5 (このIDを非表示/違反報告)
結(むすび)(プロフ) - 更新ありがとうございます!大好きな作品だったのでこうしてまた読むことが出来て本当に嬉しいし幸せです…! (2月25日 10時) (レス) @page41 id: b4d41c6372 (このIDを非表示/違反報告)
まみむのめ(プロフ) - スノウさん» ありがとうございます!細胞が人間くささを出す話がとても好きなので嬉しいです! (2021年6月9日 0時) (レス) id: 7de2b213c2 (このIDを非表示/違反報告)
スノウ(プロフ) - この話すごく好きです。下の方のコメントをパクるみたいであれなんですけど(気分害されたらすいません。)、本当に人間味がある話だなと思いました!更新楽しみにしてます! (2021年6月8日 15時) (レス) id: 4bf735c37e (このIDを非表示/違反報告)
まみむのめ(プロフ) - 玲さん» コメントありがとうございます!遅くなってしまい申し訳ないです。感想をいただけるのはとても嬉しいので、更新頑張ります! (2021年6月5日 1時) (レス) id: 7de2b213c2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:まみむのめ | 作成日時:2021年3月16日 3時

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