14 都合のいい ページ16
記憶は粘土である。
自分の強い思い込みがあれば、どんな形で過去に残ろうが、それが事実であるとは限らない。
私が目を覚ましたのは、白く大きなベッドの上だった。
自室ではない、と瞬時に判断して飛び起きる。右半身がひどく痛んだが、関係ないと掛けてあったジャケットと帽子をひったくるように取って部屋を出る。
勢いよく部屋を出たせいで、壁に肩を思い切りぶつけてしまい、小さくうめき声が出た。
しかし、今は痛みに怯んでいる場合ではない。
ここは何かの病院だろうか、目が回りそうなほど、たくさんの部屋が並んでいるが、扉前にネームプレートが貼ってあるため、誰の部屋なのか一目瞭然なのは有難かった。
それだけを頼りに、右足を引きずってある部屋を目指す。
あれから丸一日経っている。彼女はどうなったのか。
確かに私は緑膿菌に襲われはしたが、重症なのは私ではない。
A「先、輩」
扉を開けて覗いた先には、彼女が静かに眠っているのが見えた。
33人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
まみむのめ(プロフ) - 結(むすび)さん» コメントありがとうございます!3年前の作品なのに楽しみにしてくださっていたというお言葉とても嬉しいです!頑張って完結させようと思っているので、是非気長にお付き合い下さい😊 (2月27日 3時) (レス) id: e8b27ecec5 (このIDを非表示/違反報告)
結(むすび)(プロフ) - 更新ありがとうございます!大好きな作品だったのでこうしてまた読むことが出来て本当に嬉しいし幸せです…! (2月25日 10時) (レス) @page41 id: b4d41c6372 (このIDを非表示/違反報告)
まみむのめ(プロフ) - スノウさん» ありがとうございます!細胞が人間くささを出す話がとても好きなので嬉しいです! (2021年6月9日 0時) (レス) id: 7de2b213c2 (このIDを非表示/違反報告)
スノウ(プロフ) - この話すごく好きです。下の方のコメントをパクるみたいであれなんですけど(気分害されたらすいません。)、本当に人間味がある話だなと思いました!更新楽しみにしてます! (2021年6月8日 15時) (レス) id: 4bf735c37e (このIDを非表示/違反報告)
まみむのめ(プロフ) - 玲さん» コメントありがとうございます!遅くなってしまい申し訳ないです。感想をいただけるのはとても嬉しいので、更新頑張ります! (2021年6月5日 1時) (レス) id: 7de2b213c2 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:まみむのめ | 作成日時:2021年3月16日 3時