2 不運な偶然 ページ4
昔から、フラグを立てるのが上手だとよく言われてきたし、自分でも薄々感じてはいた。
赤「細胞さん!」
しかしどうしてこんなに偶然が重なってしまうのか。
赤血球のエネルギー源となるグルコースを嬉しそうに持ち、こちらに大きく腕を振って駆け寄ってくる赤血球の少女は、そのまま私の前で止まると、あの時と同じように深く頭を下げ、顔を上げた。
赤「こんにちは!この間はごめんなさい。お礼、ちゃんといえて無かったですね」
『いや、本当に気にしないでよかったのに…』
赤「あ!細胞さんも一緒にお茶しませんか?私、出しますよ!」
そう言って満面の笑みを浮かべる赤血球の少女は、応えを促すようにさあ、とその手を私の前に差し出す。
絶対に断ろうと思っていたのに、彼女の善意100%の圧と、それを見ていた周りの細胞たちからの視線に、結局私が折れてしまい、その手を取ってしまった。
手を取ったその途端、彼女が嬉しそうにまた顔を明るくさせるものだから、当然悪い気など起きるはずもなく、大人しく彼女の背中を追うことにした。
彼女となら、1回くらいお茶をしてもなんら支障をきたすことはないだろう。
そう考えていたのが馬鹿だった。
赤「この方です!白血球さん!」
赤血球は、いつの間にか食べきっていたグルコースの棒をゴミ箱に入れ、私の腕を引いて彼の前に引きずり出した。
彼はあぁ、と軽い相槌を打った後、私を見て今度は何かを理解したようにあぁと言葉を漏らす。
白「プラズマ細胞じゃないか」
ほんと、最悪だ。
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まみむのめ(プロフ) - 結(むすび)さん» はじめまして!コメントありがとうございます!結構時間をかけて作ったものなので、そう言って頂けてありがたいです! (2021年6月5日 1時) (レス) id: 7de2b213c2 (このIDを非表示/違反報告)
結(むすび)(プロフ) - コメント失礼します、、!最後まで読ませていただきました。作者さんの文章の書き方も設定を細かく考えている所も、キャラとの関係性も、主人公ちゃんのイラスト等も、何もかも素晴らしかったです!素敵な作品をありがとうございます、、 (2021年5月18日 18時) (レス) id: 0ce8940541 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まみむのめ | 作成日時:2021年3月5日 16時